名門復活!東洋大12季ぶりV エース飯田「日本一獲りたい」

[ 2017年5月24日 05:30 ]

東都大学野球   東洋大10―1日大 ( 2017年5月23日    神宮 )

3回2死、東洋大・古田が左翼へ2打者連続アーチを放ちベンチのナインに迎えられる
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 東洋大が11年春以来、12季ぶり17度目の優勝を決めた。亜大が国学院大を下して2勝1敗とし、国学院大の優勝の可能性が消滅したため。エースの飯田晴海主将(4年)は右肩手術を乗り越え、名門復活へけん引。この日の日大戦も1失点完投でリーグトップタイの4勝目を挙げた。また、リーグの全順位が確定。東洋大は6年ぶり11度目となる全日本大学野球選手権(6月5日開幕・神宮ほか)に出場する。

 歓喜の瞬間はバックネット裏で迎えた。第1試合で亜大が勝ち、日大戦前に12季ぶりの優勝が決定。エースで主将の飯田は「昨秋優勝を逃して申し訳ない気持ちだった。このメンバーで優勝できて良かった」。あと一歩で優勝できなかった昨秋を思い返し、安どした。

 常総学院時代は松井裕樹(桐光学園、現楽天)らとともに高校日本代表入りした実力派だが、大学進学時は2部。当時の2部はホーム&アウェー方式で、試合会場まで片道4時間半かかったこともあった。「環境も毎週変わるし、東都は厳しい場所だなと」。自身も右肩痛に悩まされ、2年時の15年は試合に登板できず、同年秋に右肩関節唇を手術した。チームはエース原樹(現ヤクルト)が奮闘し、秋の入れ替え戦で1部昇格した年だったが、何もできなかった。それでも同部屋で「エース兼主将」だった原樹を見ていた。自らも同じ立場となり「背中で引っ張らないといけない」。本格的にウエートトレーニングに取り組み、試合前のストレッチや練習後のアイシングを徹底。体のケアも入念にした。

 今春は1日の専大戦で164球完投。この日も優勝決定後ながら、4安打1失点の完投勝利だ。5戦4完投の働きに就任46年目の高橋昭雄監督も「飯田が本当によく頑張った」と称えた。前回優勝した11年の全日本大学選手権では4度目の日本一となった。「東都の代表として日本一を獲りたい」と飯田。勢いのまま全国制覇に向かう。 (松井 いつき)

◎東洋大OBも祝福

 ▼ロッテ鈴木(前回11年春の優勝時の主将)率直にうれしいです。東都大学リーグでの優勝は自信を持っていいこと。僕は全国大会に出て野球観が変わったところがあるので、後輩たちにもそういう経験をしてほしいと思います。

 ▼日本ハム大野(08年度卒)なかなか優勝できない時期もありましたし、どんな形であれ優勝できたことは、チームにとってもOBにとってもうれしいことです。

 ▼ヤクルト原樹(15年度卒。同年の1部昇格に貢献)2年前の自分たちの学年の頑張りが報われたような気持ち。大学時代を一緒に過ごしてきた飯田には思い入れが強い。ずっと同じ部屋だったし、ケガでうまくいかないときにも夜遅くまで投球したり、練習をしていた。(全日本大学野球)選手権で優勝して、東洋大は強くなったと思わせてもらいたい。

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2017年5月24日のニュース