由規戻ってきた!152キロ連発 完全復活の予感十分

[ 2017年5月18日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト7―0巨人 ( 2017年5月17日    東京D )

<巨・ヤ>7回を零封した由規が、つば九郎とともにファンの声援に応える
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 ヤクルトの由規投手(27)が17日、巨人戦に先発し、7回を2安打無失点で今季初勝利を挙げた。4回2死まで完全投球で、三塁を踏ませない完璧な内容。巨人戦は11年9月3日以来2083日ぶりの登板で、その時以来の白星を挙げた。右肩手術から復帰した昨季は5年ぶりとなる勝利。今季2度目のマウンドで完全復活が近づいてきたことを印象づけた。

 1軍では6年ぶりの東京ドーム。敵地でも大歓声を浴びた由規は、感慨深げに思いを吐露した。

 「素直にホッとした。野手の方が点を取ってくれて大胆に行けた。自分が理想とする直球が投げられた」

 今季初登板で黒星を喫した前回5日のDeNA戦(横浜)では初回に3失点。その初回を直球で抑え込んだ。1番・立岡、2番・橋本到から連続三振を奪い、この日最速の152キロを5度も計測。「気持ちの中でどんどん真っすぐで行こうと思ってた」。だから、スライダーやフォークも生きた。4回2死まで完全投球。150キロ超えは10度を数え、1軍では術後最長の7回2安打無失点。108球に熱を込めた。

 レンジャーズ・ダルビッシュとの出会いが完全復活につながった。昨オフ、自主トレに参加。練習法や技術だけでなく、サプリメントの取り方まで学んだ。試合中もアミノ酸入り飲料を補給。酒も断った。野球のために24時間を使った。「(2軍で)中6日で投げられた。(2軍で)9回を投げられたのもいい影響が出ている」。コンディションも上向いていった。

 ダルビッシュからはメジャーで初の開幕投手を務めた試合前にLINEをもらった。「肩どう?」。大役を直前に控えていても心遣いをもらった。偶然にも由規はダルビッシュと練習する夢を見ていたという。「目が覚めたら、ダルさんからLINEが来ていた。寝ぼけてて、夢の続きかと思った」。今季2度目の登板で初勝利。恩返しの投球をすることができた。

 巨人戦のマウンドは11年9月3日(神宮)以来だった。「久々なのは分かっていたけど、意識しないようにした」。7回を投げ勝利投手になったが、その後に右肩違和感を発症。戦列に戻れず、13年オフに右肩を手術。育成選手も経験した。長いリハビリ生活を経て、昨季は復活勝利。今季はキャンプから2軍生活だったが、5月で白星をつかみ「チャンスをもらえて、“何とかしてやる”という気持ちだった」と白い歯を見せた。

 昨季1勝10敗と苦戦した東京ドームで、今季は2戦目にして初勝利。真中監督は「素晴らしい内容。なかなか勝てなかった球場で一つ勝って良かった」と感謝した。中11日での登板となった由規は、18日に出場選手登録を抹消される。今後の登板間隔は肩の状態を見ながらになるが、完全復活は間近。かつて161キロを投げた快速右腕は着実に前進している。 (川手 達矢)

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2017年5月18日のニュース