桑原 甲子園無双だ!今季8戦9回1/3無失点

[ 2017年5月18日 08:20 ]

セ・リーグ   阪神2―1中日 ( 2017年5月17日    甲子園 )

<神・中>試合終了後に桑原(右)を労う金本監督
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 チームの苦境が背番号64の“出番”だ。7回、同点に追いつかれ、なおも1死一、三塁。阪神先発・能見の後を受けた桑原の力投が、試合の流れを自軍に引き戻した。

 「何とかゼロで抑えられて、よかった。最初、死球を出して慌ててしまったところはあるけど、何とか、その後をゼロに抑えられて、自分の仕事は出来たと思う」

 外野フライでも勝ち越しを許す場面。いくら場数をこなしても、緊張はある。先頭・ゲレーロへの初球スライダーが抜け死球。1死満塁。だが、ここからが圧巻だった。堂上を空振り三振、代打・藤井を遊ゴロと後続を断ち、相手の反撃ムードをも断ち切った。

 浮き足立つことも無かった。8回の先頭・バルデスに代打が送られると見たベンチは高橋に継投する予定だった。投手交代用の新球を持った香田投手コーチがマウンドで待ち、リリーフカーに乗った高橋が姿を現し、桑原本人も投球練習中に一度はベンチへ帰りかけた。だが代打が出なかったことから、すでに一塁ファウルラインを越えていた桑原に打者1人への投球を完了する必要が生じ、8回も続投。1死から荒木に左前打を浴びたところで、お役御免となった。

 結果的に1回無失点。「(厳しい局面での起用に)慣れるということは今後ずっとないと思います」と振り返ったが、4月5日ヤクルト戦から続く連続無失点は15試合、計15イニングまで伸びた。加えて、甲子園では今季8試合で計9回1/3を投げ、いまだ無失点と無双ぶりを発揮している。

 香田投手コーチが「(8回の交代劇に)あれは僕の勉強不足。代打が来ないと代えられないのを知らなかった。桑原もそうだし、高橋もそうだし、ファンの方も含めて迷惑をかけた。リリーフ陣がしっかり抑えてくれてホッとしています」と感謝。頼もしきセットアッパーの働きに、金本監督も「ちょっとバタバタしてしまって、桑原と高橋に申し訳なかった」と頭をかいた上で「桑原は今年ずっとイニングの頭からじゃない状況、右の強打者が続くピンチの場面で、よくやってくれている。ゲレーロに死球もあったけど、きっちり投げてくれた。彼にとっても大きな経験になったんじゃないかな」と賛辞を惜しまなかった。桑原の存在は、間違いなく快進撃の一翼を担っている。(惟任 貴信)

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2017年5月18日のニュース