ダル50勝!松坂超え109戦で到達も「ちょっと遅い」

[ 2017年5月18日 05:30 ]

インターリーグ   レンジャーズ5―1フィリーズ ( 2017年5月16日    アーリントン )

4勝目を挙げメジャー通算50勝に達したダルビッシュ(AP)
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 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が16日(日本時間17日)、フィリーズ戦で7回4安打1失点の好投で4勝目を挙げ、日本投手6人目となるメジャー通算50勝を達成した。109試合目の到達は松坂大輔投手(36=現ソフトバンク)の112試合を抜く日本投手最速での到達となった。ストライクゾーンで勝負するスタイルを確立。長い回を投げ切る真のエースへと近づきつつある。

 1点を返され、2点差に迫られた7回2死一、三塁。ダルビッシュがスタッシに対し1ボール2ストライクから投じた97マイル(約156キロ)の直球はファウルにされた。6球目に選択したのは76マイル(約122キロ)のカーブ。34キロ差の緩急で空振り三振に切り、雄叫びを上げた。「相手が合ってきているなというときにカーブを投げると空振りしてくれる確率が高い。凄く助かる球」と納得の表情で振り返った。

 日本投手6人目となるメジャー通算50勝。109試合は日本投手最速ペースだが「もっと勝たないといけない。ちょっと遅いんじゃないかなと思う」と言った。右肘手術後の15年はリハビリに専念したため、米6年目の達成となったことに満足はしていなかった。

 7回95球。少しずつ本人が求める投球スタイルに近づいている。昨年まで、デビューからの通算100試合(昨年終了時)でメジャー歴代最多の812三振を記録した奪三振王は、4月中旬に、はっきりと言った。「今年はイニングを投げたいので、球数を減らさないといけない。三振は狙っていない。7、8回投げる方が大事。どんどんストライクゾーンに投げて、早打ちしてもらう」。勇気を持ってストライクゾーンを叩いた。

 チェンジアップも有効に使い、3球以内で8つの凡打を重ね、今季4度目の7回以上の投球で初めて100球未満となる95球に抑えた。この日は95球中70球がストライク。60%台が理想とされるストライク率は73・7%を記録した。開幕から7試合では平均62・3%だったが、ここ2試合連続で70%を超える。この日、50歳の誕生日だったダグ・ブロケール投手コーチも「今日のストライク率は信じられない」と目を丸くしたが、一方で被打率は・199。ストライクゾーンで勝負しても、打たれない球威、切れがある。

 チームも7連勝で勝率5割に復帰し「一つになって戦っている感じがする。みんなが自分の仕事を大事なところでしている」と話した。今季の投球回数58回2/3はメジャー2位タイとなった。さらなる高みを目指しながら勝利を重ねていく。(奥田秀樹通信員)

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2017年5月18日のニュース