北照 不祥事乗り越え一丸再出発9年連続全道決めた

[ 2017年5月18日 05:30 ]

春季全道高校野球大会支部予選   北照6―1小樽水産 ( 2017年5月17日 )

9年連続の代表を決めて校歌を歌う北照ナイン
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 6支部で13試合を行い、小樽支部代表決定戦は北照が小樽水産を6―1で下した。エース佐藤脩晟(3年)が公式戦初完投。不祥事で昨年の秋季大会を辞退して再出発した今大会、チーム一丸となって9年連続33度目の全道切符をつかんだ。室蘭支部では、1972年春甲子園出場時のユニホームに戻した苫小牧工が快勝発進した。 

 初回からエースが吠えまくった。MAX139キロの直球で押して、いきなり3者連続三振。6回に失策絡みで失点したものの被安打は4。練習試合を含めて今季チーム完投一番乗りだ。最後まで託した上林弘樹監督(37)は「追加点を取れなかったので、エースに任せた。よく投げてくれた」とねぎらった。

 新チーム結成直後の練習試合では6試合に先発完投も秋季大会辞退のブランクは大きかった。公式戦初登板となった13日の双葉戦は「足が震えた」と2本塁打を許すなど8回4失点。一転、この日は落ち着いたマウンドさばきだった。「初回から飛ばして、気づいたら9回でした。スタミナは大丈夫。自信がつきました」。佐藤脩は納得の119球を振り返った。

 公式戦経験者が2人だけというハンデを負って臨んだ今季。GW期間中の青森遠征で、上林監督は選手に背番号入りユニホームを着用させた。雰囲気を公式戦に近づけると同時に、競争心をあおるためだ。初めて背番号1をもらった佐藤脩は「うれしくて、写真を撮って青森の両親に送りました」と言う。だが、ふがいない投球をすると、その場で剥奪され「10」を渡された。「エースのオーラがない」と言われ、考えたのは吠えることだった。

 「吠えていたら、力を入れる場面と抜く場面の力配分が分かってきた」と試合勘を取り戻していった。女房役の後藤竜希(3年)も「チームの士気も上がり、攻撃のリズムにつながる」とシャウトを大歓迎した。

 頼もしさを増したのはエースだけではない。打線も3試合連続の2桁となる14安打。「いいチームになってきている。もうひと伸び、ふた伸びしてくれるはず」と上林監督。9年連続33度目の全道舞台はさらなる成長の舞台になる。 (石川 加奈子)

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2017年5月18日のニュース