【吉村禎章 視点】阿部、捕手らしい読み お見事2安打

[ 2017年5月17日 08:05 ]

<巨・ヤ>1回2死二塁、先制左越え2ランを放つ阿部(投手・ブキャナン)
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 慎之助の読み勝ちだったね。捕手出身らしい配球の読みが2本の安打から感じられた。

 好投手のブキャナンは左打者の胸元に食い込むカットボールが軸。これが左打者には実に厄介で邪魔になる。初回はそれを初球から3球続けて平然と見送った。カウント1―2と追い込まれたが、続く外への直球を左翼ポール際へ運んだ。内を攻められていたのに右足がしっかり踏み込めていたから、打球は切れなかった。カットボールには手を出さず、外を意識し続けた。それを一球で仕留める状態の良さが先制2ランとなった。

 5回の2点右前打は、初回の打席が伏線となっていた。あの場面、慎之助の意識は逆に内寄りのカットボールにも向いていたと思う。その前は外を仕留めたから。ヤクルトバッテリーも外角低めのツーシームを2球続けてきたが、2球目が甘く中に入った。元々真ん中から内寄りに意識を置いていたから、バットがしっかり拾った。

 この日は4番の独り舞台だったが、3、4、5番はそろって好調だ。その前にいかに走者をためられるか。上位の出塁率をどう上げることができるかが課題だろう。

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2017年5月17日のニュース