“恐怖の1番”楽天・茂木 満弾8号 2番ペゲーロと計16発49打点

[ 2017年5月15日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9―2ソフトバンク ( 2017年5月14日    ヤフオクドーム )

<ソ・楽>5回無死満塁、人生初となる8号グランドスラムを放ちナインに祝福され笑顔の茂木
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 楽天の茂木栄五郎内野手(23)が14日、ソフトバンク戦で1―0の5回にプロ2年目で初めての満塁本塁打を放ち、試合を決めた。2位・ソフトバンクを2・5ゲーム差に突き放す値千金のグランドスラム。8本塁打は2番のペゲーロと並ぶチームトップで、1、2番で計16発の破壊力だ。長打力を誇るリードオフマンが打線を引っ張り、首位をがっちりと守った。

 敵地のヤフオクドームが静まり、球場中が放物線の行方を見守った。1―0の5回無死満塁。茂木の放った逆方向への打球は左翼最前列のテラス席を防護するフレームの上部に当たり、そのまま観客席に飛び込んだ。

 「打った瞬間は入るとは思わなかった。満塁は野球人生でも初めて」

 粘りが生んだ一撃だった。寺原は5球続けて145キロ前後の直球を投げ込んできた。ファウル3つで粘り、2ボール2ストライクからの6球目を仕留めた。外角高めに浮いたスライダーを逆らわずにフルスイング。最後は左手で押し込んだ。

 「先輩たちが最高の形で回してくれた。甘い球に狙いを絞っていた。食らいついていこうと思ったら最高の形になった」

 1年目の昨季は117試合で7本塁打。今季はわずか30試合目で8本目を放ち、自己最多を更新した。「数は意識していないが、確率良く芯に当てることを意識している」。長打力をテーマに2月のキャンプから取り組んできた。グリップの位置、ボールを捉える角度にこだわり、試行錯誤を重ねた。満塁弾も「逆方向を意識した。強く振れたからあそこまで飛んだ」と胸を張る。1、2番コンビを組むペゲーロに並ぶチーム最多本塁打。24打点もトップのペゲーロにあと1に迫った。

 この日は母の日。茂木は「いつも心配ばかり掛けているが、久しぶりに元気な姿を見せられた」と感慨深げだ。早大2年時に不整脈の手術を受けていることもあり、母・美恵子さん(58)からは体を心配するメールがよく届く。この日も試合前に「ケガに気をつけて頑張って」というメッセージが届いた。普段は絵文字だけや、「はい」という短い返事が多いが、「頑張ります」と返した。感謝の気持ちがバットにも乗り移った。

 5連勝中だった2位・ソフトバンクとの直接対決。前日敗れて1・5ゲーム差に詰め寄られたが、再び突き放した梨田監督は茂木を「2年目で落ち着きも出ている。結果を十二分に出している」と評した。新人だった昨季からレギュラーとして起用し続け、今季は「恐怖の1番」として大ブレーク。愛弟子の活躍が勝利につながり、満足げだった。 (黒野 有仁)

 ▼楽天・銀次(5回に3月31日の開幕戦以来となる右越え2号2ラン)栄ちゃん(茂木)が打った後だったので流れに乗ることができた。

 ≪通算打率・333≫茂木(楽)が自身初となる満塁8号。新人だった昨年は117試合に出場し7本塁打止まり。今季は出場30試合目で自己記録を更新。茂木の今季先発出場は全て1番。楽天の1番打者のシーズン本塁打としては05年礒部の13本に次ぎ09年リンデンの7本を抜き単独2位に。また、ヤフオクドームでの2年間の成績は

     打 率 <本> 点

16年 .345 (1) 6

17年 .316 (2) 5

 通算打率.333と敵地で気を吐いている。

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