【田淵幸一 視点】誠也これぞ4番の対応力 対巨人戦計48点けん引

[ 2017年5月14日 09:10 ]

<広・巨>初回1死一、二塁、鈴木は中前に先制適時打を放つ
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 広島は今季の巨人戦7試合で計48得点。3〜5番しか固定できていない相手に対して、「線」としての迫力が伝わる。エルドレッドが脅威の6番打者なのはもちろんだが、4番・鈴木がきちんと役割を果たしているからこそ、助っ人は下位で存分に力を発揮できる。

 その鈴木の成長を感じたのが初回の先制中前打だ。1死一、二塁。2ボール2ストライクと追い込まれた時点で、明らかに打撃を変えた。外角直球を逆らわず右中間方向へ。先制点が欲しい場面で、強引に引っ張らずケースバイケースのバッティング。これぞ4番、の対応力だった。

 広島の歴代4番といえば、法大で私と同期の山本浩二が思い浮かぶ。22歳。彼のように、向こう十何年とチームの顔になるために。緒方監督には、どんなに悪くても鈴木を4番から外さないでほしい。打てない時でも苦しませてほしい。私は阪神での現役時代、4番を外され大いに悔しがったことがある。それが発奮材料にもなった。鈴木も使い続けることで、さらに大きく育ててほしい。(スポニチ本紙評論家)

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2017年5月14日のニュース