超異例!レンジャーズGMが大谷視察 “接触禁止令”で遠くから熱視線

[ 2017年5月12日 05:30 ]

外野での大谷のキャッチボールに視線を送るレンジャーズ・ジョン・ダニエルズGM(左から2番目)、ジョシュ・ボイドGM補佐(右端)ら
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 レンジャーズのジョン・ダニエルズGM(39)が11日、千葉県鎌ケ谷市の日本ハムのファーム施設を訪れ、左太腿裏肉離れで2軍調整中の大谷翔平投手(22)を視察した。同GMが来日したのは、同じ日本ハムに在籍したダルビッシュ有投手(30)の獲得に動いた11年以来2度目。リハビリ中の選手を直々に視察するのは異例中の異例だ。ポスティングシステムの改正案も注目される中でレ軍が二刀流獲得への本 気度を示した。

 穏やかな練習日の鎌ケ谷スタジアムに異彩を放つ4人組が現れたのは午前9時45分。バックネット裏の一室で大谷のランニングする姿を見守り、外野でキャッチボールを始めると、三塁側カメラマン席付近に移動した。

 「日本ハムさんは、とてもリスペクトしている球団。世界に知られている二刀流の選手も育成して、ここまでの選手になってきていますしね」。そう言ったのは、ダルビッシュが所属するレンジャーズのダニエルズGMだ。ジョシュ・ボイドGM補佐、さらに2人の駐日スカウトを伴っての異例の視察。侍ジャパンの昨季強化試合でメキシコ代表のゴンザレスが大谷にプレゼントを渡した行動が問題視され、 大リーグ機構(MLB)は接触しないよう注意喚起をしている。そのため大谷本人に接触することはなく、遠くから熱視線を送った。それでも室内練習場での打撃練習も見学し、約4時間も滞在した。

 約1週間にわたって日本に滞在し、最後に鎌ケ谷を訪れたという。ダニエルズGMは視察目的を施設見学と育成のノウハウを学ぶためとし「個人の選手のあれこれを、今は言える状況ではない」と個人名は口に出さなかった。ただ今回の来日は2度目で、前回はダルビッシュの獲得に動いた11年6月。鎌ケ谷を訪れたのは初めてで、その事実からも大谷獲得への「本気度」がうかがえる。

 さらに、同行したボイドGM補佐は大谷が花巻東時代にメジャー挑戦を表明した12年10月に来日し、面談した相手だ。日本ハムに入団後も試合を視察し、密着マークを続けてきた。大谷には言及せず「去年は日本シリーズに勝って日本No・1。そういう意味でも学ぶところはたくさんある」と日本ハム球団についての話に終始した。ただ、昨年11月にはプロスカウト部長から昇格し、米メディアでは大谷獲得への布石とも報じられている。

 大谷が今オフにメジャー移籍するためには、ポスティングシステムを利用しなければならない。同制度はMLBから改正へ向けた協議の申し入れがあり、これから具体的な改正案について話し合われる。MLBから譲渡金の上限2000万ドル(約22億8000万円)からの減額を要求される可能性もあり、ダニエルズGMは「簡単に言えば、レンジャーズがいい選手を獲りやすいルールにしてほしいですね」とジョーク交じりに話した。

 リハビリ中でも、メジャーが注目する二刀流。その中でも本腰を入れているのが、レ軍であることだけは間違いない。 (細川 真里)

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