マエケン 米最長8回1/3、2失点 ローテ残留へ猛アピール

[ 2017年5月12日 05:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース5―2パイレーツ ( 2017年5月10日    ロサンゼルス )

8回1/3を2失点の好投で3勝目を挙げた前田(AP)
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 ドジャースの前田健太投手(29)が10日(日本時間11日)、圧巻のパフォーマンスで復活の3勝目を挙げた。パドレス戦に先発し、8回1/3を5安打2失点。9回に2ランを浴びてメジャー初完封、初完投こそ逃したが、8回以降のマウンドに立つのは通算39試合目にして初めて。先発ローテーション落ちの危機の中、最高のアピールとなった。

 前田にスタンディングオベーションが降り注いだ。9回先頭に左前打され、続くセルベリに左越え2ランを浴びた。それでも次打者マカチェンをスライダーで三振。9回1死、104球を投げ抜き交代が告げられた。

 「悔しい。最後まで投げきりたかった。勝負を急いでしまったと後悔している」。9回のマウンドに上がった時点で球数は89球。メジャーで100球以内の完封を称えて呼ばれる「マダックス」も視野に入れたところだった。わずかな甘さを自ら悔やんだが、それだけそこまでは完璧だった。

 初回先頭に二塁打されたが、そこから8者連続凡退。3回2死からは9者連続凡退させた。昨季は日本投手新人最多タイの16勝の一方、先発投手として8回以降を投げたことは一度もなかった。「早いカウントから打たせてアウトを取れたので、球数が少なく9回までいけた」と分析した。

 直球への決別と、新球カットボールへの再挑戦。開幕4試合で防御率8・05と打ちのめされ、投球スタイルをガラリと変えた。「悪い時はフォーシーム(直球)を胸元へ勝負して打たれていた。正直、間違ったスタイルだったと思う」。キャンプで試しながら、オープン戦で直球へ手応えを深めたため封印したカットボールを、もう一度見つめ直した。最初の4試合で被打率・315だったのが、カットボールを軸としたここ3戦は同・181と急改善。昨季のデータにはない新球でバットの芯を外し続けた。

 故障者リストにいる柳賢振、マッカーシー、ヒルが復帰予定で、ド軍先発投手は7人の大所帯となる。前田は再調整目的でのローテーション落ち危機に陥っていたが、復活を印象づける無四球快投。「ここ3試合は本当に素晴らしい。カットボールは効果的だった」とデーブ・ロバーツ監督も頼もしげにうなずいた。

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2017年5月12日のニュース