子供たちを楽しませる「鎌スタ」 田んぼ、プール、カブトムシ…

[ 2017年5月11日 11:00 ]

今季、鎌ケ谷ファイターズスタジアムの20周年を記念して大型バナーに登場した大谷
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 様々な体験ができる「鎌スタ」に驚いた。本拠地のある北海道から離れ、千葉県鎌ケ谷市内にある日本ハムの2軍施設・ファイターズ鎌ケ谷スタジアム。ファンの人たちはよく知っているかもしれないが、球場には種まきから収穫まで体験できる田んぼや茶畑、試合観戦しながら入ることができるプール、さらにカブトムシも育てている。

 スタジアムは1997年完成。今季は誕生20周年を迎え、オフに内野スタンドのシートが一新されるなど全面リニューアルされた。14年春から描かれている球場壁面のバナーには、二刀流・大谷選手も新登場している。

 「10周年を機に、ボールパーク化しようという計画が07年に本格化しました。アメリカのマイナーリーグのようなボールパーク化を目指しています。地域のコミニュティーセンターのようにしたいですね」

 「DJチャス。」は熱っぽく語ってくれた。「DJチャス。」は社員の中原信広氏が扮し、鎌ケ谷のイベントをプロデュース&PRする謎のキャラクター。社員とDJの“二刀流”のようだ。10年には米国のマイナーリーグに足を運んだ。

 今季は「ファウルボールにご注意ください!」など、呼びかけも選手の声に。子供たちにより耳を傾けてほしいという願いからだという。土日祝は、ウグイス嬢やヒーローインタビュー体験も可。5回終了時はラジオ体操が始まり、周辺には壁打ちや坂道ダッシュができるコーナーもある。試合がない練習日も来場者が多いことに納得した。同スタジアム専任マスコットキャラクター・小熊の「カビー」も中原氏が発案したという。外野にはプール。実施日は限定されているが、プールに入りながら観戦できるから驚く。

 13年からは球団と鎌ケ谷市、市内梨農家が協力し「カブトムシプロジェクト」を始めた。命や自然の大切さ、地元への愛着を持ってもらうことが目的だ。同市は梨の栽培が盛ん。栄養分が高い枝にはカブトムシが住みつくらしい。球場で幼虫を配布したり、市内の小学校に届けたり…。観察日記を場内に展示するなど、まさにコミニュティだと感じた。

 北海道から足を運ぶファンも少なくない。都心からは少し遠いが、子供たちを楽しませるアイディアが満載だと思った。(記者コラム 細川 真里)

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2017年5月11日のニュース