有原パ開幕投手最遅1勝「チームが勝てて良かった」

[ 2017年5月7日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―2オリックス ( 2017年5月6日    京セラD )

<オ・日>今季初星を挙げた有原(右)はベンチ前で栗山監督から祝福の握手を受ける
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 勝利の瞬間を見届け、日本ハム・有原はやっと白い歯をこぼした。登板6戦目で待望の今季初勝利。「本当にチームに貢献できていなかった。何とか勝ちたいと思って投げた。素直にうれしかった」。パ・リーグの開幕投手で最も遅い白星に、心の底から安どした。

 初回に先制打を浴び、逆転した直後の3回に小谷野に同点タイムリーを許した。苦しかったが、耐えた。「後半は腕が振れてきて直球もフォークも低めに集まった」。1点を勝ち越した直後の5回2死一、三塁。T―岡田のライナー性の打球は一直となり「どんな形でもいいからアウトを取りたかった」。運も味方した。7回7安打2失点。殊勲の投球でチームを今季初の5連勝に導いた。

 開幕直前の3月16日。栗山監督から開幕投手を通達され「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一の名著「論語と算盤(そろばん)」をプレゼントされた。同日は渋沢栄一の誕生日で、有原の背番号「16」もかけられていた。その本に自身のメッセージも書き込んだ指揮官は「誰かのために尽くすことがエース」と意図を説明した。登板2戦目の4月8日のオリックス戦(京セラドーム)では自己ワーストタイの8失点で完投。直後に指揮官から「良い経験にして前に進んでくれればいい」と言われた。「それが心に残っている。チームが勝てて良かった」と有原。大黒柱の大谷はいない。期待をかけ、信じ続けてくれた指揮官の思いにようやく応えることができた。

 「たくさん迷惑をかけている。チームに貢献できるように頑張りたい」。まだ5月。借りを返す機会はたくさんある。 (柳原 直之)

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2017年5月7日のニュース