糸原救った同点打!梅野は3戦連続ヒーロー打「勝ちたい一心」

[ 2017年5月7日 05:51 ]

セ・リーグ   阪神12―9広島 ( 2017年5月6日    甲子園 )

<神・広>7回裏2死一、二塁、梅野は勝ち越しとなる右越え適時三塁打を放ち、三塁上でガッツポーズし吠える
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 予測不能だった試合の流れを自軍に引き寄せたのは、若虎2人だった。“小休止”を挟み、チームに勇気を与える一打を放ったのは糸原だ。

 「(中断にも)集中力は切らさず、甘い球を打とうと思っていた」

 1点を追いかける7回は予期せぬ展開だった。1死一、二塁で鳥谷の放った二ゴロを西川が弾く間に二塁走者・江越が本塁へ突入。一度はセーフと判定されたが、リプレー検証の末にアウトと覆った。同点劇は幻と終わり、気落ちしても不思議ではない場面。それでも、ルーキーの集中力は極限に研ぎ澄まされたままだった。

 「梅野さんは状態が良いので、何とかしてくれると思った」

 藪田の投じた2球目の直球を右前に運んで、正真正銘の同点打。5回には中谷からの返球を捕球ミスする適時失策を犯していただけに「何とか取り返そうと思った」と意地を見せた。

 後輩が見せた必死のスイングに、梅野が燃えないわけがなかった。なおも2死一、二塁。球場全体が押せ押せムードになるなか、一切の迷いは無かった。初球、151キロ直球を振り抜いた打球は、右中間を真っ二つに破る2点適時三塁打。前日5日と合わせ2日連続の「決勝三塁打」となり、聖地には「梅野コール」がこだました。

 「同点に追いついたので、消極的にはなってはいけないと思った。(リプレーで)中断したけど、(糸原)健斗の気迫を見て、初球からいかないといけないと思った。勝ちたい一心で向かった」

 3戦連続のヒーローインタビューでは「捕手として攻撃にリズム、流れを持ってこれなかった」と序盤の9失点を猛省。殊勲の一打よりも、先発福永、2番手松田の好投を引き出せなかったことを悔やんだ。正捕手への道を歩む、背番号44にとっては、自身の成長につなげなければいけない一戦となったはずだ。

 逆境にも、強い気持ちで果敢に立ち向かっていった2つの若き闘争心が、歴史的な逆転勝利を猛虎に運んだ。(遠藤 礼)

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2017年5月7日のニュース