“サンデーウルフ”連勝記録と早業に注目!

[ 2017年5月7日 11:10 ]

ファンとハイタッチする西武・ウルフ
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 早かった。4月30日の西武―ロッテ戦(メットライフドーム)。午後1時1分開始の試合は今季両リーグ最短の2時間10分で決着した。西武は試合後、ファンに向けてグラウンドを開放する「AFTER THE GAME」を開催。この日は日曜日。翌日から仕事の会社員にとって、短時間ゲームはうれしい限りだ。帰りの時間を気にせず、家族や同僚とベースランニングや外野エリアでの写真撮影などで楽しんでいた。

 スピード決着の立役者は西武先発ウルフだ。「フォーシーム(直球)は一度も投げていない」と、打者の手元で変化する高速ツーシームとカットボールでゴロの山を築いた。早いカウントから振ってくるロッテ打線にも助けられ、7回までわずか69球で無失点。2奪三振ながら2安打無四球でマウンドを降りた。8回はシュリッターが9球、9回は増田が21球。3投手で計99球の“省エネリレー”を完成させた。

 ウルフは元々完投型ではない。メジャーでは先発経験がなく、主に救援。日本ハム時代の10〜13年は通算116試合に投げて3完投(1完封)。移籍1年目は38試合に救援登板したことを差し引いても、決して多い数字ではない。14、15年のソフトバンク時代も通算10試合で完投は0だった。

 昨年7月の西武加入後初登板となった同年8月28日の日本ハム戦(メットライフドーム)から8連勝中の右腕。登板9試合のイニング数、球数、ついでに試合時間を見てみると

【16年8月28日VS日本ハム=6回85球、2時間36分】

【9月4日VSロッテ=5回1/387球、3時間】

【同10日VSソフトバンク=6回90球、3時間7分】

【同22日VSオリックス=6回1/386球、2時間40分】

【17年4月2日VS日本ハム=6回79球、2時間37分】

【同9日VSソフトバンク=7回91球、2時間43分】

【同16日VSロッテ=6回82球、3時間17分】

【同23日VS日本ハム=5回93球、3時間7分】

【同30日VSロッテ=7回69球、2時間10分】

 投球回数は最長7回で、100球を越えたことはない。目につくのは試合時間。平均は2時間49分だ。今季の両リーグ平均時間が3時間13分(5日現在、延長12回を含む)と考えれば短く感じる。

 4月30日の試合はバックも無失策で、ウルフをもり立てた。中堅・秋山は2回に井上の打球を前進してスライディングで好捕。打っても3回に決勝の5号ソロを放った。「(ウルフが投げると)とにかく試合が短い。重たい流れになっていない」。同僚のテンポの良さが、攻守でリズムを生んでいるようだ。

 ウルフは7日の楽天戦(メットライフドーム)に先発する。開幕から5試合全て日曜日に投げて4勝無敗。無敵の“サンデーウルフ”の連勝記録と早業に注目したい。(記者コラム・馬渡 雄介)

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2017年5月7日のニュース