由伸監督執念!3バントVスクイズ 代打策もズバリ

[ 2017年5月6日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―2中日 ( 2017年5月5日    ナゴヤD )

<中・巨>8回1死一、三塁、小林の捕前スクイズで三塁走者・長野がホームを突き生還(捕手・杉山)
Photo By スポニチ

 8回に同点に追いつき、なお1死一、三塁。巨人・高橋監督は8番・小林の場面で勝負に出た。セーフティースクイズ。初球はファウルで失敗し、2球目はヒッティングに切り替えた。ストライクを見逃して2球で追い込まれると、指揮官はまたもセーフティースクイズのサインを送った。

 「(スリーバントスクイズは)難しいと言えば難しいですけどね。うちもやる作戦だし、よそもやる作戦」。小林も腹をくくった。「打つよりも(得点の)確率が高いと思った」。ボールを挟んで4球目。外角のスライダーをきっちり一塁側に転がした。大西三塁コーチャーから「投手の(前への)強いゴロでなければ行け」と指示を受けていた三塁走者の長野も本塁に突入した。捕手・杉山とのクロスプレー。球審が一度はアウトをコールしたものの、ミットからボールがこぼれ、判定はセーフに覆った。犠打野選で決勝点を挙げ、高橋監督の執念が実った。

 再三の好機をつぶしていた背景もあった。6回までに4本の二塁打を放つなど、得点圏に走者を置いた5度の攻撃でわずか1得点。高橋監督は終盤の勝負どころで動いた。8回1死一、二塁。中日が先発バルデスから三ツ間にスイッチすると、高橋監督も2安打を放っていた石川に代えて代打に亀井を送り込んだ。同点打でなおも絶好機が続き、小林にスクイズ。「理由はいろいろある」と多くを語らないが、失敗することも想定していた。一塁走者だけでも二塁に進めれば次打者として待機していた「代打の切り札」である村田で勝負を懸けるつもりだった。

 スクイズでの決勝点は就任2年目で初めて。代打起用も含めて采配が的中し、カード初戦で逆転勝利を手にした高橋監督は「初戦を取らないと2つ、3つと続いていかない」と貪欲だった。 (重光 晋太郎)

続きを表示

この記事のフォト

2017年5月6日のニュース