おかわり球団最多915打点!一発で清原に並んだ

[ 2017年5月6日 05:30 ]

パ・リーグ   西武7―1楽天 ( 2017年5月5日    メットライフD )

<西・楽>4回無死三塁、先制2ランを放つ中村
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 「こどもの日」に代名詞の本塁打で魅せた。西武・中村剛也内野手(33)が5日、楽天戦で4回に先制の左越え8号2ランを放った。直球狙いでカーブを打つ、百戦錬磨の技術を駆使。この2打点で通算915打点として、清原和博が持つ球団最多記録に並んだ。4番の一発が決勝点となり、チームの連敗は3でストップ。勝率も5割に復帰した。

 メットライフドームの駐車場で愛車に向かう帰りの道中。3人の息子の父親である中村は「(息子たちは)来ていませんね。いろいろ忙しいので」と苦笑いした。それでも「こどもの日」に8年ぶりにアーチを描き、球場を訪れた子供たちを魅了した。

 0―0の4回無死三塁。釜田の147キロ直球を空振りし、2球目だった。外角高めの119キロのカーブに泳ぎながらも粘り腰でバットの芯で捉えると、打球は高い放物線を描き、左翼席中段に達した。「完全に直球のタイミング」と直球を狙っていたという。球速差は30キロ近くあったが、変化球が高めに浮いてきたところに活路を見いだした。「たまにはああやって打ちます。(ポイントが前になっても)バーンとバットに当たれば、フライになる確率は高い」。長距離砲としての技術が詰まった先制の8号2ランは決勝打になった。

 子供の頃、憧れのプロ野球選手はいなかった。近所にも圧倒される存在はいなかった。「僕が一番凄かったです」と冗談めかして目を細める。野球の醍醐味(だいごみ)である本塁打に少年時代から魅入られた。その思いは6度の本塁打王を獲得し、33歳の今も変わらない。

 「子供の頃は安打より本塁打が打ちたかったでしょ。せっかく、本塁打があるんだから。プロ野球選手になっても、安打が出るより本塁打が出たほうがうれしい。1本で1点取れるし」

 その一発で球団史に名を刻んだ。これで今季25打点目。通算915打点とし、清原和博の持つ球団記録に並んだ。ただ、節目の数字も通算1530打点の清原と比較できないことも分かっている。「達成したからといってもね。清原さんが(巨人に)移籍しなかったら(記録が伸びていた)。(11年在籍した清原に対し)僕は16年やっていますから。一つでも多く伸ばしていけたらいいと思う」。

 13安打7得点で快勝。連敗を3で止め、勝率5割に戻した辻監督も「あれ(中村の一発)が大きかった。変化球をうまく打ったね」と絶賛した。中村は「今日は(菊池)雄星でしょ。流れに僕も乗れた感じ」とエースを称えたが、4番のアーチが打線に火を付けた。本塁打は9本でリーグトップのオリックス・T―岡田に1本差と迫り、「指定席」も見えてきた。通算本塁打は338本。野球少年のヒーローはいつの時代もホームランを打てるバッターだ。(平尾 類)

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2017年5月6日のニュース