楽天・則本「個人的には悔しい勝利」菅野からの完封指令果たせず

[ 2017年5月4日 06:25 ]

パ・リーグ   楽天4―2オリックス ( 2017年5月3日    Koboパーク宮城 )

<楽・オ>9回、T―岡田に2ランを打たれ則本(右)は降板、松井裕がマウンドへ
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 お立ち台で少し複雑な表情を浮かべた。楽天・則本は9回にT―岡田に2ランを浴び、今季初完封を逃して降板。「ヒーローじゃないですよね…。チームが勝って良かったけど、個人的には悔しい勝利」と吐露した。

 それでもエースの投球だった。2位・オリックスとの直接対決。前日に敗れ、1ゲーム差に詰め寄られただけに「絶対に勝ちたかった」と燃えた。2回1死二、三塁では鈴木昂を149キロ直球で見逃し三振。若月もフォークで空振り三振を奪い、マウンドで吠えた。最速153キロの直球を主体に8回まで毎回の12三振を奪い、球団記録で自身最多タイとなる3試合連続2桁奪三振。通算44奪三振とし、3年連続奪三振王の「指定席」であるリーグトップに立った。

 悔しさの裏には、先輩からの「完封指令」があった。前夜、WBC日本代表でともにプレーした1歳年上の巨人・菅野がDeNA戦で3戦連続完封を達成。試合後「おめでとうございます」とメールを送ると、返信には「そろそろ完封いこうか」と書かれていた。「頑張って凄い結果を残している先輩に続きたいと思っていた。(完封は)お預けですね」。球団新記録の4試合連続2桁奪三振に挑む次回10日のロッテ戦(Koboパーク宮城)では約束を果たし、悔いは残さぬつもりだ。

 因縁の相手との対決でもあった。オリックス先発の松葉は三重中京大4年時の全日本大学選手権1回戦で投げ合った大体大のエース。則本は延長10回まで投げ20三振を奪ったが自らの暴投で敗れた。プロ入り後は1勝1敗でこれで勝ち越し。「松葉も良かったのでリードを終盤まで守れたのは良かった」と納得顔だ。

 この日は復興を支援する「TOHOKU SMILE デー」として開催され、本拠地に東日本大震災の被災地である宮城県南三陸町などの小中学生ら367人を招待。今季最多の2万7259人が詰めかけ、奪三振ショーでファンを喜ばせた。OBの田中(ヤンキース)や同僚と支援活動を行う則本は「子供たちの前でいい試合ができたのは凄く良かった。プロになりたいと思ってくれる子供が出てきたらうれしい」と最後に笑顔を見せた。 (黒野 有仁)

 ≪プロ野球記録は91年野茂(近鉄)の6試合≫則本(楽)が12三振を奪い、4月19日の西武戦から3試合連続の10奪三振以上。連続試合2桁奪三振のプロ野球記録は91年野茂(近鉄)の6試合だが、楽天では自身が昨年3月25日のソフトバンク戦から4月8日の日本ハム戦でマークしたのに並ぶ最多となった。また、2桁奪三振は通算24度目。パの現役投手では松坂(ソ)45度、和田(ソ)29度、金子(オ)26度に次ぎ大谷(日)に並ぶ4位に浮上した。

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