ムネリン 1986日ぶり1軍で存在感 工藤監督「ベンチも明るくて」

[ 2017年4月29日 06:18 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―1オリックス ( 2017年4月28日    京セラドーム )

<オ・ソ>7回1死二塁、右越えに2ランを放った福田(左)に抱きついて祝福する二塁走者の川崎
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 帰ってきたムネリンが勝利を呼んだ。6年ぶりに日本球界に復帰したソフトバンクの川崎宗則内野手(35)が28日、1軍に初合流し、オリックス戦で「1番・二塁」で先発出場。1986日ぶりの日本の1軍公式戦で7回に復帰後初安打を放ち福田秀平外野手(28)の右越え2ランで決勝のホームを踏んだ。

 勝ち越し2ランを放ってホームに還ってきた福田と、川崎はハグで喜んだ。「自分のこと以上にうれしかった。本当にエキサイティング!!」。11年11月20日の中日との日本シリーズ第7戦(ヤフードーム)以来、6年ぶりの日本再デビュー戦を勝利で飾った。「こんな素晴らしい環境で試合ができる。楽しかった」と感慨深げに話した。

 1―1の7回、先頭打者として西の初球チェンジアップを中前に運んだ。一塁ベース上で三塁ベンチを指さし、仲間の声援に反応。さらにバントで二塁へ進んだ後に福田の一発が生まれた。

 「KANSAI CLASSIC 2017」と銘打ち、大阪を本拠地とした南海時代の80年復刻ユニホームを着用した一戦だった。全身からほとばしるエネルギー。守備では4回2死一、二塁で中島の中前へ抜けそうなライナーに横っ跳びした。惜しくもグラブから球はこぼれたが、すぐさま二塁へトスして封殺。「(Jリーグの清水で活躍した)GKシジマールを意識して。あの守備で勝ったようなもの」とおどけてみせた。

 試合前のミーティングではナインに「Have fun(楽しもう)」と英語で呼び掛けた。4月1日のソフトバンク復帰会見から、想像以上に1軍昇格への時間を要した。6月で36歳。2軍では準備運動で息が上がり、一つのメニューごとに大の字になることもあった。人工芝でのプレーは想像以上に負担もある。「お酒を3杯飲んでいたのを1杯にしたり、脂ものも控えて唐揚げも食べません。乱視も入ってる。息子と遊んでも疲れるよ」。その息子が見守る中、7回の守備で退くまで全力でプレーした。

 ドームでのナイターにかかわらず、「まぶしいから」と目の下にペンでラインを入れてプレー。カブス時代の同僚に倣ったものだ。米国で戦い抜いた魂を宿しつつ、替えたものもある。2軍ではカ軍の青いスポーツバッグを使用したが、この日はソフトバンクの黒いものに一新した。「カブスともお別れ。寂しい気持ちはあるけど、新しい気持ちで。See you guys」。川崎の新たな挑戦が始まった。

 ▼ソフトバンク・工藤監督 追いつかれて、良いヒットが生まれ、本塁打も出て、チームの厚みが増した。(川崎の存在で)ベンチも明るくて、良い凡打でハイタッチするなど、気遣いをしてくれるので助かる。

 ≪米→古巣に復帰打者史上3人目≫川崎(ソ)が今季初出場。メジャー出場を果たし、国内球界に復帰した日本人打者は史上11人目。うち、渡米前と同じ球団に戻ったのは田口(オ)、田中賢(日)に次ぎ3人目だ。また、復帰初戦でいきなり安打は、13年の西岡、福留(ともに神)に次ぎ10人目。

 ≪過去の着用1季≫緑のストライプユニホームは80年に1年だけ採用された。この年には「ドカベン」こと香川が鳴り物入りで入団した。だが、成績は前期5位、後期6位と振るわず。トータルでも勝率・384の最下位に終わり、翌年からは79年まで着用していた白地に緑の文字タイプを復活させている。

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