こんな記録まで!MLBで超高速本塁打ベース1周する男とは

[ 2017年4月25日 10:30 ]

アスレチックスのアダム・ロサレス(AP)
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 米国人は変なこだわりが好きだ。そして記録好きであり、数字好き。あらためてそう思わされる珍記録が大リーグ公式サイトで紹介されていた。

 アスレチックスのアダム・ロサレスが4月22日のアスレチックス戦で今季2号となる先頭打者アーチを放った。そのベース一周タイムを計測。「“15秒90”は自らの持つ本塁打生還タイムの記録を更新した」と伝えた。

 同サイトでは大リーグの計測システム「スタットキャスト」が導入された16年以降の、柵越え本塁打でのベース一周タイムのベスト10を集計。ベスト10のうち、なんと8個をロサレスが占めていた。残る2つは、昨季まで3年連続50盗塁以上でメジャー屈指の俊足で知られるレッズのビリー・ハミルトンだった。

◇上位5傑◇

 (1)ロサレス 15秒90 17年4月22日

 (2)ロサレス 15秒96 16年9月24日

 (3)ハミルトン 16秒20 16年4月11日

 (4)ロサレス 16秒25 16年9月25日

 (5)ロサレス 16秒30 16年7月15日

 ロサレスはメジャー10年目のベテランだが、内野の全ポジションを守るユーティリティ・タイプ。13年にはアスレチックスで中島裕之(現オリックス)と、14年にはレンジャーズで田中賢介(現日本ハム)とメジャー枠を争っていた。

 通算16盗塁で俊足タイプではない。本塁打も通算42本なのだが、昨季キャリアハイの13本塁打と一皮むけた。そこで、自らの存在感を示すかのように全力疾走を繰り返し、ベース一周ベスト10をほぼ独り占めにしたのだ。

 本人もこだわりは強い。自己記録を更新の一発は、三塁ベースコーチとハイタッチしているのだが「“どいてくれ”とコーチに向かって叫んだよ」といらぬ祝福だったようだ。新記録を知らされ「何だって?年をとったと思っていたけど、まだ速くなっているのかな?」と33歳は喜んだという。

 その前日21日には、ロッキーズのチャーリー・ブラックマンがランニング本塁打を放っていた。本塁へ滑り込む際どいタイミングの生還だった。それでもタイムは15秒54。「ロサレスとわずか0秒36差だった」と驚きをもって伝えている。

 日本ではどうだろう。試しに23日に西武・秋山がマークした先頭打者本塁打と、8回の2ランを計測してみた。どちらも飛距離十分な一発だったこともあり、タイムは「19秒41」と「19秒78」と平凡なものであった。

 スイングを伴わない単なる練習では、ベースランニング一周を15秒台で駆ければ優秀と評価され、プロでも平均的な評価。速い選手は学生でも14秒台で駆け抜けることができる。

 前記した記録は「スタットキャスト」導入後のものだが、ロサレスの名誉のためにも、記録公表が全力疾走に拍車をかけているわけではないことを最後に伝えておきたい。

 古い映像を紐解いた。メジャー初アーチはレッズ時代の09年5月10日のカージナルス戦。この年19勝で最多勝のアダム・ウェインライトから左越えへ放った。全力疾走する25歳がそこにいた。思わずタイムを計る。驚いた。ブラックマンのランニング本塁打を上回る「15秒51」だ。

 ロサレスの言葉に偽りはなかった。若い頃は、確かにもっと速かった。そして信条の全力疾走はいつだって不変だった。(記者コラム・後藤 茂樹)

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