新Gキラー誕生の予感 阪神・横山、藤浪の代役で5回1失点初勝利

[ 2017年4月24日 07:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2017年4月23日    東京D )

<巨・神>力投する阪神先発・横山。5回1失点で今季初勝利
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 阪神は23日、巨人戦(東京ドーム)で勝利し、巨人と同率で再び2位に浮上した。今季初登板となった先発・横山雄哉投手(23)が5回1失点と好投し今季初勝利。インフルエンザA型を発症して出場選手登録を外れた藤浪の代役として巡ってきたマウンドで結果を残した。巨人戦はプロ初登板で7回1失点だった15年5月21日以来の登板で初勝利。計12イニングを投げ2失点で能見、岩貞に続く「Gキラー」誕生も予感させた。

 「代役」の肩書きを忘れさせる力投だった。藤浪が16日に出場選手登録を抹消された影響で生まれた谷間での出番。リミッターを解除した横山の直球は打者の 内角を突き、フォークは低めに制球された。2点リードの3回2死から 連続四球で一、二塁とされ村田には中前打を浴びたが、マギーを直球で見逃し三振。毎回安打を許しながらも最少1失点と最低限の仕事を果たした。

 「初回から腕を振っていこうと思った。バテるくらいのつもりで1イニングを大事に投げた。もっと長い回を投 げたかったけど、中継ぎの方が踏ん張ってくれて、梅野さんも心強くリードしてくれた」

 今季は春季キャンプから開幕ローテーション争いで奮闘したが、3月中旬から調子を落とし脱落した。“スポット参戦”でも「また2軍に戻るかもしれないですが、今年を左右する登板になると思うので、結果を残します」と話していたように23歳左腕にとっては重要なマウンドだった。

 登板前日の22日、「心臓が飛び出そう」と極限に達していた緊張を仲間がほぐしてくれた。デーゲームを終え宿舎の自室に戻ると、同い年の松田とともに入って来た先輩の岩崎がスマートフォンを差し出した。画面にはプロ初勝利を飾った昨年5月4日の中日戦でウイニングボールを手に最高の笑顔を見せる横山自身の写真が写っていた。「これ見て、良い時のイメージ持ってマウンド上がれば大丈夫やろ」。2人は声を合わせて背中を押してくれた。後ろに控えるリリーフ2人の言葉に勇気をもらった。

 昨年11月に8歳上の一般女性との結婚を発表。「1軍で投げて恩返しがしたい。結婚してダメになったと言われたら(妻に)申し訳ないので」とスタンドで声援を送ってくれた愛妻に届ける1勝でもあった。

 ヒーローインタビューで「(藤浪)晋太郎がインフルエンザになって、その代役をしっかりできるようにやった」と口にすると、虎党から笑いも漏れたが、次回を振られるとスタンドから「ある、ある」と期待の言葉がいくつも飛んだ。

 藤浪の復帰に伴い、25日からは2軍に合流する。金本監督から「初登板にしては十分に合格点」と称され、有事の際には真っ先に候補に挙がるはずだ。「次があるなら、もっと長いイニングを投げられるようにしたい」。価値ある1勝をたぐり寄せた「主役」の言葉に、敵地は沸いた。(遠藤 礼)

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