中日、20戦目で先発投手初白星 39歳“おじいちゃん”が快投

[ 2017年4月24日 06:04 ]

セ・リーグ   中日1―0DeNA ( 2017年4月23日    横浜 )

<D・中>8回2死一、三塁、石川を三ゴロに打ち取り、ガッツポーズのバルデス
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 無尽蔵のスタミナを誇る「おじいちゃん」が、記録を止めた。今季5度目の先発となった中日・バルデスが8回4安打無失点。「やっと勝てた。コントロールが良く低めに投げられた」。開幕から19試合連続で先発投手に白星がなかったが、20試合目で来日3年目左腕が今季初勝利を飾った。

 老かいな投球だった。53年広島が記録した23試合のワースト記録も迫っていたが、140キロに満たない直球を動かしながらチェンジアップ、スライダーでバットの芯を外した。「力のある打者が多い。何とか低めに投げようと思った」。1点リードの8回2死一、三塁では、石川の鋭い打球を三塁手の亀沢が横っ跳びで好捕。最大のピンチをしのいで、守護神・田島へとバトンをつないだ。

 キューバ出身の39歳。落ち着きある風貌から、チーム内では親しみを込めて「おじいちゃん」と呼ばれるが、同僚の岩瀬に次ぐ球界2番目の年長投手とは思えないタフさが武器。昨季6勝の左腕は今季開幕2戦目に先発し、その後は中4日、中5日の短い間隔でフル回転してきた。

 18日の阪神戦(ナゴヤドーム)では123球を投じた。通常ならば登板2日後の20日は「上がり」となるが、ナゴヤドームでブルペン投球を行って今季2度目の中4日登板に備えた。「疲れも何もないよ。今日も全然、行けるという感覚だった」。5度の先発では全て6回以上を投げ、自責点3以下のクオリティースタートを記録。打線の援護に恵まれなかったが、この日は今季最長8回、122球の熱投で5度目の正直を引き寄せた。

 1―0の「スミ1」による勝利。62歳の森監督は「中4日が一番いいと言っている。2人分、働いてくれている」と23歳下の「おじいちゃん」を見て目尻を下げていた。(桜井 克也)

 ≪バルデス全5試合でQS≫中日が1―0で今季初の完封勝利。先発のバルデスに白星が付いたが、これで中日の開幕からの連続試合先発勝利なしは19試合でストップ。過去に開幕から最も長く先発勝利がなかったのは53年広島の23試合。中日の19試合はそれに次ぐ2番目の記録になった。それでも初勝利のバルデスは今季5試合に先発し全て6回以上を投げ、自責点3以下のクオリティースタート(QS)。今季両リーグで初登板から4戦連続オールQSは石川(ヤ)、菊池(西)といるが5戦連続はバルデスだけだ。

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