西武・秋山、本家公認「おかわり」弾 2日前と同じ先制&トドメ

[ 2017年4月24日 05:30 ]

パ・リーグ   西武12―3日本ハム ( 2017年4月23日    メットライフD )

<西・日>初回無死、秋山が右越えに先頭打者ホームランを放つ
Photo By スポニチ

 本家も驚く「おかわり弾」だ。西武・秋山翔吾外野手(29)が23日の日本ハム戦で初回、右越えに通算9本目となる先頭打者弾を放った。8回にも右越え2ラン。21日に続き、先頭打者弾を含む1試合2本塁打を記録した。この日は社会貢献活動として15年から取り組む「ひとり親家庭」の招待試合。母子家庭で育った身として、同じ境遇の家族に希望を与える2発となった。リードオフマンの活躍で今季最多の12得点。4連勝を飾り、オリックスと並んで同率2位に浮上した。

 試合後。メットライフドーム関係者用出口から駐車場に向かう中村に、秋山はこう言われた。

 中村 俺ですら1回やぞ。(新たな)おかわり君やな。

 秋山 僕には背負えないです…。

 本家お墨付きの2発だった。初回。フルカウントからメンドーサの内角に沈むナックルカーブを鋭いスイングで右翼席に叩き込んだ。今季2度目の先頭打者弾。「あんなに飛ぶとは思わなかったが、しっかり打ちにいってつかまえられた」。2発目は8回無死一塁。再びフルカウントから井口の真ん中高めへ の141キロ直球をフルスイングし、右翼席に叩き込んだ。21日のカード初戦でも先頭打者弾を含む2発。2日後に再現してみせた。過去6度の本塁打王に輝いている4番の中村ですら、今季は1度しかない1試合2本塁打。自身にとっても昨季に続くシーズン最多タイの2度目となり「距離も出て右方向に続いてることは感触が良い」と自賛した。

 どうしても、打ちたかった。この日は今季初めて「ひとり親家庭」16組35人をバックネット裏に招待。「親子水入らずの時間をつくってほしい」との思いから、15年から社会貢献活動として続けてきた。自身は00年の小6時に父・肇さんを胃がんで亡くし、母・順子さん(61)に女手一つで育ててもらった。横浜創学館時代に心配性の母が監督とコーチへのお土産が入ったスーツケースを引いて学校を訪ねた。秋山の大切な思い出だ。試合前には同じ境遇の家族と記念写真などで交流し「今日だけ打てないことにはしたくなかった。結果を出したかった」。これで招待試合は通算39打数16安打で打率・410、3本塁打。「活躍できたのは自分にとっても大きい」と振り返った。

 ここ4戦で3度目の猛打賞。それでも15年に216安打のシーズン最多安打記録を樹立した男は満足していない。求めるのは低くて、強い打球。本塁打はあくまでヒットの延長で「ホームランばかり意識すると、フォームを崩してしまう。勘違いしないことが大事」と練習中から飛距離は意識していない。この日の2本塁打の打席はともに甘い球を見逃してフルカウントにした。「本当はもっと早いカウントで打たないといけなかった」と反省。試合後はバットを持って、室内練習場の打撃マシンで打ち込んだ。

 25日からは同率2位で並ぶオリックスとの3連戦(ほっと神戸、京セラD)。「ここまで悪くない。修正するところはして次に臨みたい」。飽くなき向上心を持つバットマンが再び火を噴く。 (馬渡 雄介)

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月24日のニュース