ダル、苦手ア軍に敗戦もカットボールに収穫「感覚すごく良かった」

[ 2017年4月20日 05:30 ]

ア・リーグ   レンジャーズ2―4アスレチックス ( 2017年4月18日    オークランド )

アスレチックス戦の6回、同点2ランを浴び、天を仰ぐレンジャーズのダルビッシュ(共同)
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 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が19日(日本時間20日)、今季2敗目を喫した。苦手のアスレチックス戦に先発。5回までは完封ペースの快投だったが、2―0で迎えた6回に突如崩れて降板し、5回1/3を3安打4失点に終わった。今季の2敗はいずれもア軍戦。自身の対戦成績は通算3勝11敗となった半面、今後への手応えも残った。

 2点リードの6回1死一塁。ダルビッシュは右打ちの9番打者ロサレスへ、内角から真ん中寄りに入る89マイル(143キロ)カットボールを投じた。14、15年に同僚だった33歳は腰を引くことなく強振。左翼席に飛び込む同点2ランとなった。

 右腕は「ゴロを打たせようとしたけど、内寄りに入った。あれでも他の打者はゴロを打ってくれていた。よほど、カットに(ヤマを)張っていたのかなと思います」と振り返った。さらに二塁打と四球を許したところで降板し、救援陣が打たれて4失点。まだ82球とあり、交代を告げられたことには「ちょっとびっくりしました。よく分からないまま終わってしまった」と話した。

 5回までは完璧だった。わずか56球で1安打、無四球。快投を演出したのはカットボールだ。56球中、直球の20球に次いで多い19球を投げ、早いカウントで効率的に凡打の山を築いた。一方で、捕手ルクロイは「今日は右打者の内側を突くことができなかった。メジャーの打者には両サイドを攻めないと。ロサレスはカットボールに対して踏み込んできた」と分析。今季初勝利を挙げた13日のエンゼルス戦と違い、序盤に内角を攻めきれなかったことを、6回の乱調の一因に挙げた。

 それでも、キャンプから取り組んできたカットボールが大きな収穫となったことは間違いない。「どういうふうにすれば早打ちさせられるのかというのが(分かって)良かったし、感覚もすごく良かった」とダルビッシュ。三振を量産する「剛」の投球とは異なる、打たせて取る「柔」の投球は自身の幅を広げ、より長いイニングを投げることにもつながる。ア軍との相性の悪さは払拭できなかったが、さらなる進化を遂げるべく、無念の敗戦を糧にする。(奥田秀樹通信員)

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2017年4月20日のニュース