楽天・梨田監督 気配り操縦術でパ最速10勝 不振ウィーラー初打点

[ 2017年4月17日 05:40 ]

パ・リーグ   楽天4―3日本ハム ( 2017年4月16日    Koboパーク宮城 )

<楽・日>延長10回、サヨナラ打を打った聖沢(左から2人目)を梨田監督(右端)が迎える
Photo By スポニチ

 Koboパーク宮城に詰めかけた球団最多記録となる2万7165人が興奮した。その中心で、楽天・聖沢がナインの手荒い祝福を受けた。3―3の10回1死一、二塁の場面で代打で登場。鍵谷の5球目の外角直球を右中間に運んだ。自身4度目のサヨナラ打だが、代打では初めてだった。

 「外野が前に出ていたので、芯で捉えれば安打になる可能性は高いと思った。速い球に対してしっかりスイングできた」

 50メートル5秒8の俊足の島内が二塁走者。前進守備を敷いた相手外野手の位置、鍵谷が力勝負でくることも想定していた。状況判断がチーム今季初のサヨナラ勝ちを呼んだ。

 梨田監督の細心の気配りがチームに一体感を生んでいる。2―3の9回2死一、二塁から今季初打点となる中前打を放ったウィーラーがそうだ。この試合まで打率・137、0本塁打と不振の助っ人に対し、指揮官は14日の同戦後、打順変更を打診した。ただ、本人の答えは「勝っているしそのままで」だった。心意気を買い、3番で起用し続けた。「監督は僕のことを考えてくれている」とウィーラーは話した。

 粘りの野球が浸透し、今季3度目の逆転勝ち。創設1年目の05年は48試合目で到達した10勝。今季は12戦目と4分の1のスピードで、球団創設以来初のリーグ10勝一番乗りとなった。指揮官は「まだ始まったばかり」としながら「試合は長かったけど、踏ん張ってくれた」とチーム力に手応えを感じている。

 「貯金を増やすのは難しいが、減るのは簡単。勝っているからいいのではなく、しっかりとやっていきたい」

 13年の日本一を知る聖沢は表情を引き締めた。2位オリックスと2・5ゲーム差。春の珍事とは言わせない。 (黒野 有仁)

 ≪創設13年目で初≫楽天が今季初のサヨナラ勝利を挙げ、リーグトップで10勝に到達した。楽天の10勝到達順を調べると、これまでは、09年のリーグ2番目が最も速く、パ10勝一番乗りは創設13年目で初めてだ。また、パで開幕12試合以内に10勝一番乗りは、

年 球団 試 最終

52毎日11(2)

54西鉄10 V

55南海10 V

56毎日12(4)

62東映12 V

 63南海12(2)

 68近鉄12(4)

 69阪急12 V

 79近鉄12 V

 90西武12 V

 に次ぎ27年ぶり11チーム目。過去10チームのうち6チームは優勝、2チームは2位と好発進を生かしたが、楽天も続けるか。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月17日のニュース