楽天ドラ9高梨 12球団新人白星一番乗り 千隼より51分早く

[ 2017年4月7日 05:35 ]

パ・リーグ   楽天3―1ソフトバンク ( 2017年4月6日    Koboパーク宮城 )

<楽・ソ>プロ初勝利の高梨は試合後、球場前のステージに上がって「左のサイドスローバーン」
Photo By スポニチ

 本拠地での初のお立ち台。地元ファンから大歓声を浴びた楽天のドラフト9位の高梨は「勝っている展開で投げるのが初めてだったので、緊張しました。こんなに早く勝ちが付くとは思っていなかったので、ビックリ」と満面の笑みを浮かべた。

 球団では史上初めての新人一番乗りとなる白星。ロッテ・佐々木と同日も51分早く、チームを6年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しに導いた。

 先発・森の後を受け、2―1の5回から救援登板。1死後、連打を浴びて一、三塁のピンチを招いたが、崩れなかった。2番・本多をスライダーで空振り三振。3番・柳田もスライダーで二ゴロに仕留めた。「1点差だったし、柳田さんだったので気合が入った」。雄叫びを上げて、左腕にこん身の力を込めた。

 早大では日本ハム・有原の同期。3年春の東大戦で東京六大学史上3人目の完全試合を達成した本格派左腕だった。しかし、JX―ENEOS入社後は伸び悩む。首脳陣が打撃力を買って野手転向も検討する中、転機は昨年6月に訪れる。横手投げへの転向だった。「高卒新人が横で投げていて投げ方を聞いた。プライドはいらない」。生き残るために必死だった。スカウト陣から再評価され、転向から4カ月後にドラフトで指名。変則的な投法で「左キラー」となり、この日も本多、柳田の左打者を封じた。

 昨年5月11日、チームの遠征で宮城を訪れていた高梨はKoboパーク宮城の観客席にいた。その時、お立ち台に上がっていたのが、早大の後輩・茂木。約11カ月後、そこに自分が立った。「その時は想像もしていなかった。驚きとうれしさ。いろいろな感情です」。プロ初勝利を知ったのは、守護神の松井裕からウイニングボールを受け取った時。24歳は新人らしく、初々しかった。 (黒野 有仁)

 ◆高梨 雄平(たかなし・ゆうへい)1992年(平4)7月13日、埼玉県生まれの24歳。川越東では3年夏の埼玉大会準決勝で花咲徳栄に延長10回の末、サヨナラ負けを喫し、甲子園出場なし。早大では1年春から登板し、通算41試合で11勝5敗、防御率2.81。3年春の東大戦で完全試合達成。JX―ENEOSを経て、16年ドラフト9位で楽天に入団。契約金2500万円、年俸800万円。1メートル75、81キロ。左投げ左打ち。

 ≪同日に2人が一番乗りは斎藤(日)、福井(広)以来≫ドラフト9位入団の高梨(楽)が、佐々木(ロ)とともに今季新人の勝利一番乗りを果たした。同日に2人が一番乗りは11年4月17日の斎藤(日)、福井(広)以来。楽天ルーキーの勝利一番乗りは球団創設13年目で高梨が初めてだ。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月7日のニュース