阪神ドラ5糸原 プロ初ヒットや!感激5打席目、軽やかセンター返し

[ 2017年4月3日 05:55 ]

セ・リーグ   阪神1―9広島 ( 2017年4月2日    マツダ )

<広・神>9回2死一塁、糸原は中前にプロ初安打を放つ。投手・ブレイシア
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 記念すべき一打は、お手本のようなセンター返しだった。阪神ドラフト5位・糸原が通算5打席目でプロ初安打を放った。9回の第2打席。2死一塁からブレイシアの3球目150キロ直球を叩くと、打球は助っ人の足をかすめて、中前へと抜けた。

 「初ヒットを打てて良かったですし、ピッチャーの足元、センター返しで弾き返せてよかった」

 糸原の辞書に慢心の2文字はない。オープン戦では打率・303をマーク。開幕1軍を手にしたが、視線はもう一歩先へと向けられていた。

 「シーズンに入ったら全然違うはず。もっと厳しく攻められる」。相手投手の研究に時間を割いた。映像のチェックはもちろん、スコアラー陣が作った資料に目を通す時にもひと手間を加えた。「自分と同じタイプの打者がどんな攻め方をされているか」。独自の視点があるから、よりデータが生きてくる。初対戦であるブレイシアの速球を一振りで仕留められたのは、準備の賜だった。

 「就職」ではなく「転職」だった。今季入団した阪神の新人では最年長となる24歳。開星(島根)、明大でドラフト候補に挙がりながら、チャンスを逃し続けた。3度目の正直でつかんだプロ入り。「周りの選手はこれから野球が仕事になるけど、僕は一度野球を職業にしていて、そこからプロに入る。1年目から活躍する気持ちを、より強く持っていかないといけない」。覚悟の重さは、誰にも負けない。

 「昨日(1日)はああいうミスをしたので守りでも集中していた。もっと攻めていけるように。同じミスをしないように、これからの野球人生につなげていきたい」

 大敗もあって笑顔はない。それでも糸原にとって、忘れられない1日になった。(巻木 周平)

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2017年4月3日のニュース