広島 サヨナラもグダグダ…80年ぶり史上最多タイ9回両軍計26四球+1

[ 2017年4月2日 05:35 ]

セ・リーグ   広島9―8阪神 ( 2017年4月1日    マツダ )

<広・神>10回無死、鳥谷が両軍合わせ計27個目の四球で出塁
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 歴史的な超乱戦を制したのは広島だった。8―8の延長10回1死二、三塁で、安部が二塁へ痛烈なゴロを放ち、三塁走塁の上本がサヨナラのホームを陥れた。「一人一人がつなぐ意識を持って、みんなで勝ち取った勝利」。二塁内野安打で立役者となった安部はお立ち台で喜びを爆発させた。

 両軍合わせて28四死球。5時間24分にも及ぶ総力戦は、9回を終わった時点で広島が13四球、阪神も13四球となり、両軍合わせて26四球という80年ぶりのプロ野球記録に並んでいた。延長での数は最多記録に含まず、1リーグ時代の1937年に金鯱の15四球、ライオンの11四球で記録して以来2度目の珍事となった。

 序盤から先発・岡田は制球が定まらず、4回5安打6失点。7四球と荒れまくった。畝投手コーチは「昨日から四球絡みの失点が多い。先発が頑張らないと、中継ぎに負担がかかりすぎる」と苦言を呈していた。それでも初回の4点ビハインドをはね返した。

 7―8の7回に押し出し四球で追いつき、延長戦に持ち込んだ。緒方監督は「野手の頑張りには頭が下がる。粘り強い攻撃ができて、勝利につながった。頼もしく感じる」と目尻を下げた。開幕前の決起集会では、指揮官が珍しく締めのあいさつを行った。輪になって手をつなぎ、「今年もみんなで力を合わせて頑張っていこう」と鼓舞。1年前も開幕戦に敗れ、2戦目に勝利し、25年ぶりのリーグ制覇を達成した。2連覇へ、こんな流れも悪くない。

 ≪80年ぶり≫広島―阪神戦は延長10回まで両軍四球が阪神14、広島13の計27。1試合両軍計最多四球は延長回を含まず、9回まで阪神、広島とも13の計26。1リーグ時代の37年9月12日金鯱―ライオン戦(金鯱15、ライオン11)と並ぶ80年ぶり2度目のプロ野球タイ記録になった。なお、セでは90年5月6日大洋―阪神戦の20(大洋12、阪神8)が従来の最多でこれを更新。パ最多記録は94年7月1日西武―近鉄戦の23(西武16、近鉄7)となっている。

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