松井裕 志願のイニングまたぎでつかんだ1勝 侍経験が自信に

[ 2017年4月1日 05:51 ]

パ・リーグ   楽天6―4オリックス ( 2017年3月31日    京セラD )

<オ・楽>9回に登板した松井裕は負けじと力投する
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 楽天の守護神・松井裕が、志願のイニングまたぎで開幕戦白星に導いた。4―4の9回に救援。無失点でマウンドを降りると、与田投手コーチに直訴した。「絶対に、次(の回)も行かせてください」。開幕戦で勝利をつかむという執念だった。延長10回も得点を許さず、2イニングを無安打無失点。2四球も3三振を奪う松井裕らしい投球だ。11回にペゲーロの勝ち越し2ランが飛び出し、今季初勝利も転がり込んだ。

 WBCの経験が生きた。決勝トーナメントが行われた米国から帰国後、実戦登板をせずに開幕に突入した。それでも、普段の力を発揮した。「(WBC2次ラウンドの)オランダ戦がこれまでで一番緊張した。それ以上の緊張感はないと思っている。リラックスして入れた」。3月12日のオランダ戦。1点リードの7回に救援し、2/3を無失点に抑えた。日の丸を着けて満員に膨れあがった東京ドーム。1点も与えられない極度に緊張した場面での経験が、21歳左腕を一回り大きくした。

 チームは初のリーグ優勝を果たし、日本一にも輝いた13年以降は3年連続でBクラスに低迷している。「開幕戦で勝てたことは自分にとっても、チームにとっても、今後につながる」と松井裕。まだ、米国とのマウンドの土の硬さの違いに戸惑いもある。それでも、精神的な成長でカバーし、守護神としての仕事を全うする。 (黒野 有仁)

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2017年4月1日のニュース