新井が意地弾 チーム史上最年長開幕4番で存在感

[ 2017年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6―10阪神 ( 2017年3月31日    マツダ )

<広・神>7回裏無死、新井は左中間ソロホームランを放つ(投手・桑原)
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 プロ野球は31日にセ・パ両リーグが各地で同時開幕し、広島は本拠地マツダスタジアムで阪神に6―10に敗れた。新井貴浩内野手(40)が19年目で初の開幕戦アーチ。開幕4番は阪神時代の12年以来、広島では07年以来10年ぶりで、敗戦の中で意地を見せた。1日の第2戦での雪辱に期待だ。

 打球がバットに当たった瞬間、快音とともに新井はバットを高々と放り投げた。今季1号を確信していた。

 「何点差でもあきらめない姿勢を見せたかった。ミスショットが多かったけど、ようやく捉えることができた」

 4―8で迎えた7回先頭の第4打席だった。桑原にカウント1ボール2ストライクと追い込まれながら、高めに甘く入ったスライダーを逃さなかった。打球は鯉党の待つ左中間席に着弾。終始劣勢で沈みがちだった満員の本拠地に大歓声を取り戻した。

 5回2死満塁では空振り三振に倒れるなど3打席目までは凡退。何度経験しても独特の緊張感があるのだろう。打ち損じも目立っていた。4打席目で修正したのは経験のなせるわざか。8回2死一、二塁では鋭い投ゴロをマテオの足もとへ打ち返し、懸命な全力疾走で一塁への悪送球を誘った。最大7点差の劣勢に立たされながら、一時は2点差まで迫った。

 開幕戦は今回を含めて通算48打数16安打で打率・333。“開幕男”として19年目で記念すべき初の開幕戦アーチにもなった。それだけではない。1986年に39歳5カ月で務めた山本浩二を超えて球団では最年長となる40歳2カ月での「開幕4番」として存在感を示した。

 ふがいない姿は見せられなかった。昨季限りで引退した黒田博樹氏が球場を訪問。「黒田さんが抜けた穴を埋めるのは簡単ではないけど、みんなで力を合わせてやるしかない。元気でやっている姿を見てもらいたい」と意気込んでいた通り頼みのジョンソンが崩れる苦しい戦いでも最後まで懸命に反撃した。

 昨季は89勝のうち逆転勝利が45度。持ち味とするあきらめない粘り強さは今季も健在で、中心には新井がいる。「負けたけど143試合のうちの一つだと思って、明日に向けて準備したい」。3年連続の黒星発進にも最年長は沈まない。実力でも精神面でも連覇を目指す赤ヘルを今年も引っ張ってくれそうだ。(柳澤 元紀)

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2017年4月1日のニュース