4年前は2三振…打者・大谷VS雄星 先輩相手に成長確かめたい

[ 2017年3月31日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム―西武 ( 2017年3月31日    札幌ドーム )

打撃練習で快音を響かせる大谷。後方で見つめる中田もビックリ
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 プロ野球は31日、セ、パ両リーグが同時開幕し、各地で6試合が行われる。2年連続の日本一を目指す日本ハムの大谷翔平投手(22)は30日、西武戦を前に札幌ドームで練習。右足首痛の影響で3年ぶりに打者で開幕を迎える二刀流は、フリー打撃で12本の柵越えを披露した。西武先発は母校・花巻東の先輩、菊池雄星投手(25)。2打席連続三振に打ち取られた13年以来、2度目の対戦で、4年間の成長を確かめる。

 開幕前日のフリー打撃。大谷の打球が一層凄みを増した。36スイング目に右翼スタンド上段まで運ぶと、続いてバックスクリーンへ。ラストは左翼スタンドへ叩き込む圧巻の3連発締めだった。全38スイング中、柵越えは12本。「変わらない。今まで通り」と言葉を濁したが、気迫のスイングにはわけがあった。

 「もちろん(プロで)唯一の先輩で(昔から)見てきたので、多少なりとも普通の投手とは(意識が)違う」

 西武の先発は花巻東の3学年先輩で、憧れの存在でもある菊池。投手としては4度投げ合って無敗だが、打者としては新人だった13年以来、2度目の対戦となる。当時は手も足も出ず、2打席連続の空振り三振。「1年目は全く打てる感じがしなかった。やっぱり素晴らしい投手だと思って打席に立っていたので、その時点で負けていたかなと思う」と振り返る。

 だが、今は違う。昨季は規定打席数に満たないものの打率・322、22本塁打。投手としてだけではなく、打者としても日本を代表するスラッガーとなった。「(打席に)立ってみて自分の4年間とか打席での見え方とか実感するんじゃないかなと思う」。飛距離、芯で捉える確率、選球眼…、当時の自分とはまるで違う。だから、こそ、菊池相手に4年間の成長を確かめたい。もちろん、勝利は最優先。「チーム単位で確実に攻略できると思う。一人一人がしっかりやることをやれば必ず勝てると思う」。自らその先頭に立つ覚悟だ。

 右足首痛をキャンプイン前日に公表。打者でのWBC出場の可能性を探ったが無念の不参加だった。その後、3月に実戦復帰すると出場9試合でオープン戦トップタイの4本塁打を記録し、3年ぶりに打者として開幕戦に臨む。首脳陣からは全力疾走を禁止されており、「万全の時に比べたら多少(調整は)遅れている」と言うが、着実にスケールアップしている。

 昨年9月28日。大谷は菊池との壮絶な投げ合いを1―0の完封で制し、チームを4年ぶりのリーグ優勝に導いた。キャスター時代から両選手を知る栗山監督は「昨年、雄星で終わって、今年は雄星で始まるのは何か大きな意味があるのかも」と感慨深げに話した。昨オフに球団からメジャー挑戦を容認され、日本ラストイヤーになる可能性がある2017年。「連覇できるように。そこだけしっかり目標を持って頑張りたい」。今年もプロ野球界は大谷を中心に回る。 (柳原 直之)

 ▽前回の「打者・大谷」VS菊池 大谷が新人だった13年3月30日の開幕2戦目で実現。2回1死一塁での初対決はスライダーで空振り三振。0―1の4回1死一、二塁でもスライダーにバットが空を斬り2打席連続空振り三振を喫した。菊池が降板後の1点を追う6回1死一、二塁で回ってきた3打席目は代打を送られた。菊池は6回途中4安打無失点で勝利投手となった。

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