健大高崎・山下 2年生史上初の1大会満弾2本「優勝したい」

[ 2017年3月29日 05:30 ]

第89回選抜高校野球大会第9日・2回戦   高崎健康福祉大高崎10―2福井工大福井 ( 2017年3月28日    甲子園 )

<高崎健康福祉大高崎・福井大福井>4回2死満塁、今大会2本目となるグランドスラムを放つ高崎健康福祉大高崎・山下。投手・中田
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 引き分け再試合となった2回戦2試合が行われ、ベスト8が出そろった。高崎健康福祉大高崎(群馬)は10―2で福井工大福井を下し、2年ぶりの8強進出。山下航汰内野手(2年)が4回、1回戦に続く満塁本塁打を放った。1大会2本の満塁弾は大会史上2人目。2年生では初となった。福岡大大濠は三浦銀二投手(3年)が15回196球を投げ抜いた26日の試合から中1日で130球完投。滋賀学園を5―3で下し、初めて準々決勝に進んだ。

 奇想天外な9回2死からの重盗成功で同点に追いついた26日の試合。看板の「機動破壊」で粘った高崎健康福祉大高崎が、中1日の再試合では「パワー破壊」を見せた。青柳博文監督が「打てる順から並べた」と大幅に組み替えた打線。4回までに10点を奪った攻撃の主役は、4番から3番に変わった山下だった。

 初回1死三塁から先制点を挙げる中前打。4回は2点追加後の2死満塁で、右翼席に力強く打球を運んだ。1回戦の札幌第一戦に続くグランドスラム。「上からしっかり叩いて、バックスピンをかけられた」と理想の打撃に胸を張った。

 過去2戦で229球を投げたエース伊藤を休ませ、向井を公式戦初先発させた試合。打線の援護は不可欠だった。26日の試合は9回以降はゼロ行進。山下も延長に入って無安打だった。「15回もやったのに勝ちも負けもなくて、モヤモヤしていた」。宿舎近くのスーパー銭湯で疲れを取ると、映像を見返して反省した。「体が開きすぎて、フライアウトばかり。強い打球を打とうと思った」。本塁打は思い通りの弾丸ライナーだった。

 早実の野村、大阪桐蔭の根尾、山田ら活躍が目立つ2年生。山下は今大会3試合で12打数5安打11打点を挙げ、俺もいると言わんばかりの暴れぶりだ。中学時代はレンジャーズ・ダルビッシュが巣立った羽曳野ボーイズでプレー。4番として全国制覇し、7戦連発を記録したこともある。鳴り物入りで入学し、1年夏から4番の座に。毎晩の素振りを欠かさない努力と謙虚な姿勢で仲間の信頼も厚い。大阪出身らしくツッコミ上手で周囲を和ませ、「山P」のニックネームで親しまれる。

 チームは12年の4強が最高成績。乗りに乗る主砲は「先輩たちを超えて優勝したい」と宣言した。 (松井 いつき)

 ▼高崎健康福祉大高崎・向井(11奪三振完投)マウンドに立つとスライダーが切れていた。

 ◆山下 航汰(やました・こうた)2000年(平12)11月15日、大阪府生まれの16歳。小3から柏原ヤンキースで野球を始める。羽曳野ボーイズを経て、高崎健康福祉大高崎では1年夏の群馬大会から4番。高校通算12本塁打。好きな選手はDeNA・筒香。1メートル74、77キロ。右投げ左打ち。

 ≪2年生は初≫2年生の山下(高崎健康福祉大高崎)が満塁アーチ。センバツの満塁本塁打は24人目、26度目で、自身は今大会2本目。甲子園で1大会2本の満塁本塁打は15年春の松本(敦賀気比=3年生)に次ぎ春、夏通じ2人目だが2年生は初。

 ≪満弾3発はセンバツ最多タイ≫今大会では幸地(秀岳館)も満塁本塁打。1大会で3本は30年、15年に並ぶセンバツ最多タイになった。

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