史上初!同日2試合引き分け再試合 健大高崎9回2死重盗で同点

[ 2017年3月27日 05:30 ]

第89回選抜高校野球大会第7日・2回戦   健大高崎7―7福井工大福井 ( 2017年3月26日    甲子園 )

<高崎健康福祉大高崎・福井工大福井>9回2死二、三塁、本盗に成功する三走・小野寺
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 2回戦3試合が行われ、福岡大大濠―滋賀学園は1―1、高崎健康福祉大高崎(群馬)―福井工大福井は7―7でともに延長15回で引き分け、規定により再試合となった。1大会で2試合の延長引き分け再試合は春夏を通じて史上初めて。高崎健康福祉大高崎は1点を追う9回2死二、三塁から重盗で追い付き、土壇場で代名詞の「機動破壊」が功を奏した。なお、再試合の2試合は28日に組み込まれる。

 3時間44分。雨中の死闘を終えて、勝者も敗者もないゲームセット。第2試合に続き、第3試合も延長15回引き分け再試合となり青柳博文監督は「2試合連続再試合なんて、こんなことは経験できない。選手はよく頑張った」と称えた。

 積極的な走塁で揺さぶる「機動破壊」を土壇場で仕掛けた。6―7の9回2死二、三塁、1ボール1ストライク。福井工大福井の左腕・摺石(すりいし)が二塁けん制への動作に入った瞬間だ。三塁走者の小野寺が猛然と走り、頭から本塁に滑り込んで同点に追いついた(記録は重盗)。失敗すればゲームセットだったが、最大の武器で1点をもぎ取り、延長戦に持ち込んだ。チーム最速の50メートル5秒9を誇る小野寺は「イチかバチか。怖さはあるけど、(青柳監督らから)いつも“勇気ある走塁をしなさい”と言われていたので。高校に入って一番の走塁ができた」と胸を張った。

 この場面、ベンチから二塁にけん制させるため、二塁走者の安里に「リードを大きく取れ」というサインが出ていた。それを見た遊撃手は摺石にけん制するよう声をかけた。すると、三塁コーチャーの永渕は安里に大声で「(安打)1本で還れる位置にいろ!」と言って注意をそらした。三塁走者を無警戒にさせ、駆け引きに勝ったのだ。

 青柳監督は「ギャンブル的な作戦」と振り返ったが、経験に裏付けされたプレーだ。過去にも09年夏の群馬大会と12年春の関東大会で成功。半年に2回、15分ほど練習し、練習試合でも月に1回はトライする。ただ、三塁コーチャーの永渕は「ビハインドの9回2死から成功したのは初めて」と興奮し、走塁指導を担う生方啓介部長は「(投手が)ターンした瞬間にゴー。偽投したらごめんなさい、ですね。群馬県内ではできないし、向こう数年間はできないプレー」と笑って話した。

 昨秋公式戦の1試合平均盗塁数は出場32校で最多の3・3を誇る。2番の小野寺はトップの9盗塁で、1番の湯浅主将は8盗塁した。その湯浅は右手首骨折の影響で試合に出られなかったが、一塁コーチャーとして小野寺に「思い切って行け!」と声をかけ、小野寺も3盗塁で応えた。試合後、泥だらけのユニホーム姿で「悔しい。勝ちきれる展開だった」と振り返った。あす28日の再試合でも走って、決着をつける。(松井 いつき)

 ▼高崎健康福祉大高崎・安里(9回に二塁走者として重盗成功)大きなリードでずっと狙っていた。公式戦で初めて成功した。あのプレーがなければ終わっていたかもしれない。

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