侍J則本自己最速更新158キロでKKK!圧巻の三者連続

[ 2017年3月20日 05:30 ]

練習試合   日本4―6カブス ( 2017年3月18日    メサ )

<カブス・日本>8回2死、ラデマーチャー(右)を三振に斬る則本
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 侍ジャパンの則本が8回2死で投じた初球は、カブスのキャンプ地球場スローンパークの電光掲示に「98マイル」と表示された。158キロ。ここまで苦しんでいた男が、米国の地で自己最速を1キロ更新した。

 「直球はしっかりコントロールできている」と確信すると、2球目は65マイル(約105キロ)のスローカーブを投じた。「カーブがどれくらい使えるのか、キャッチャーと共有したい」。緩急差は53キロ。2球ファウルを挟み、最後は低めの97マイル(約156キロ)でバットに空を切らせた。8回から登板。相手はメジャー経験がない途中出場の若手だったが、圧巻の3者連続空振り三振に斬った。

 「この環境で投げることができて、本戦でプラスになる。緊張感を肌で感じ取った」。屋外球場、滑りやすい乾燥気候、そして硬いマウンド。ブルペンは右翼奥にあり、カ軍ファンから常にのぞき込まれた。「この雰囲気は日本にはない」。全てが準決勝への予行演習になった。今大会は2試合3回2/3を4失点、防御率はチーム最悪の9・82だったが、「最終テスト」で結果を出した。小久保監督は「則本はよかった」と、1回を無失点に抑えた4番手の宮西とともに収穫に挙げた。

 復活に導いたのは「米国仕様」の投球術だ。150キロ超えは当たり前の世界で、権藤投手コーチの言う「緻密さと大胆さ」を体現した。最初の2つの三振はいずれもフォークで奪った。事前に内角を攻めることで、打者に踏み込ませなかった。特に有効だったのが小久保監督が「(投球の)幅を広げる。準決勝でも有効」と絶賛した「インスラ」だ。右打者ボートへの3球目は、体に当たりそうなコースから曲げた。球速だけでなく、インスラも駆使して投球に「緩急」をつけた。

 郷に入っては郷に従え。関係者に「味は何でもいいです」とひまわりの種を5袋発注した。待機中はメジャー流でリラックスする。異国でも動じない性格は頼もしい。牧田とともに則本が救援陣の重要な役割を担うのは確実。「勝つことだけを考える」。侍投手陣の切り札が大一番を前に復活した。 (神田 佑)

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2017年3月20日のニュース