池田「最後は気持ちで」160球完投!呉 初出場初勝利

[ 2017年3月20日 05:30 ]

第89回センバツ高校野球・第1日   呉6―5至学館 ( 2017年3月19日    甲子園 )

<至学館・呉>呉・先発の池田
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 延長12回、160球を投げ抜いたエース左腕・池田が、春夏通じて甲子園初出場の呉(広島)に初勝利をもたらした。「最後は気持ちで投げました。やっと終わったと思いました」。声のトーンに疲労感はなく、お立ち台で満面の笑みを浮かべた。

 打たせて取る持ち味の投球を存分に発揮した。最速130キロ程度で球威はないが「内角の真っすぐで押せたから、変化球も生きた」。打者の懐を強気に突き、スライダーとチェンジアップを織り交ぜてアウトを重ねた。

 バットでも見せた。1―1の5回1死満塁で勝ち越し犠飛。2点を追う9回は1点差に迫り、なおも1死二塁から再登板した左腕・川口のスライダーを右中間へ運ぶ同点二塁打。自らを助ける2打点に「たまたまです」と謙そんしたが、尾道商で3度の選抜出場経験がある中村信彦監督は「勝負強さを持っている。ひょっとしたら打つかもと思った」と9番打者の貢献にほおを緩めた。

 チームは“呉市から甲子園へ”を合言葉に07年4月創部。有望な選手が他地区の強豪校へ流出する中、呉市にある倉橋島出身の池田は、地元から聖地を目指すために進学を決めた。それと同時に一家で学校の近くへ転居。野球に打ち込める環境づくりに協力してくれた家族への恩返しも果たした。1年冬には脾臓(ひぞう)が肥大するウイルス性の感染症を患い、3カ月間も練習に参加できなかった。「エースとして迷惑をかけた。チームのためにいいピッチャーになろうと思った」。1年秋に初めて背負った1番に恥じない投球ができた。

 呉市の学校としては1963年春に8強入りした呉港以来、54年ぶりの聖地1勝。「イチクレの名をもっと全国に知らせたい」と池田。創部11年目の野球部史に、まだまだ輝かしい1ページを記していく。(石丸 泰士)

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