大谷、黒田氏の前で恩返し弾 投手復帰は「安定して出場できることが条件」

[ 2017年3月19日 08:13 ]

オープン戦   日本ハム4―3広島 ( 2017年3月18日    マツダ )

<広・日>3回2死二塁、2ランを放ち、岡(左)とハイタッチを交わす大谷
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 日本ハムの大谷翔平投手(22)が18日、広島戦(マツダ)の3回にオープン戦第2号2ランを放った。昨季限りで現役引退した元広島・黒田博樹氏(42)の「特別試合」で結果を残し、憧れの人への恩返しとなった。右足首を痛め、WBCに出場できなかった二刀流。決勝ラウンドに臨む侍ジャパンへ、改めて世界一へのエールも送った。

 引っ張ったような強烈な弾道だった。0―2の3回2死二塁。ジョンソンのカットボールを捉えた大谷の打球は左翼席、それも上段に届いた。

 「(ジョンソンの得意球が)カット(ボール)、ツーシームなんで同じタイミングでいった。たまたま甘かった」。昨季沢村賞男からの一撃だけに、調整過程として価値がある。右足首痛から実戦復帰後の6試合で15打数6安打、3本塁打、7打点と絶好調だ。

 この日は「黒田博樹特別試合」と銘打たれ、黒田氏本人が始球式に登場。大谷は「改めて偉大な選手だと感じた。ああいう選手になりたいと誰しもが思う」と言った。黒田氏にとって現役最終登板だった昨年の日本シリーズ第3戦。3打席に立った大谷は「ほぼ全球種を打席で見ることができた。間合いやボールの軌道が勉強になった」と話す。黒田氏の著書を読破するほど心酔する大谷にとって、かけがえのない財産。進化した姿を見せることが恩返しだった。

 世界一を目指す仲間たちへのエールも忘れなかった。WBCの激闘はテレビなどで欠かさずチェック。「誠也(鈴木)とはちょくちょく(連絡を)やっている。(投手コーチの)権藤さんからは電話がかかってきた」と大会中も侍メンバーと連絡を取り合っていることを明かし、「2連勝で優勝目指して頑張ってほしい。応援したいと思う」と願った。世界一奪還は大谷の夢でもある。

 投手復帰のメドはまだ立たない。「ある程度、見切りをつけておくことは必要」と前置きした上で「今、野手で出始めている。そこで安定して出られることが(投手復帰の)条件」と言った。焦らず、慎重に。自らの体と向き合い、まずはバットを手に31日開幕を目指す。 (柳原 直之)

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