浪人時代過ごしたアリゾナ 侍J菅野 準決勝先発へ「力もらえたら」

[ 2017年3月18日 09:45 ]

フェニックスに到着し、宿舎に入る菅野
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 照りつける日差し、砂ぼこりが煙る乾燥した空気、そして無数に並び立つサボテン――。全てが侍ジャパン・菅野にとって懐かしくもあり、原点だった。アリゾナの地に降り立ち、フェニックスの宿舎に入った右腕は約11時間の機内について「寝てました」とおどけ、表情を正した。

 「ここは自分自身、自主トレをしていた思い出の地でもある。浪人していた時に、ここで培ったものは凄く大きなもの。そういう力をもらえたらと思います」

 相手は決まっていないが、21日(日本時間22日)の準決勝(ドジャースタジアム)先発が有力視される。前回大会で越えられなかった壁を託される右腕にとって、この最終調整の地は思い出の場所だ。巨人1、2年目のオフに2年連続で足を運び、ダイヤモンドバックスのキャンプ地ソルトリバー・フィールズなどで投げ込んだ。14年のリーグMVP、最優秀防御率などの飛躍につなげた。

 それだけではない。巨人入団を志望した東海大4年のドラフトでは、競合した日本ハムが交渉権を獲得。入団を拒否し、社会人など他クラブに所属した場合は2年間、プロから指名されることができないため、プロ・アマいずれの球団にも属さない1年間の浪人を決断した。その間、フェニックス近郊の施設などでも汗を流し、念願のプロのマウンドを目指した。

 フェニックスから北へ車で1時間半のところには景勝地として名高いセドナがあり、全米屈指のパワースポットとして有名だ。菅野にとってはアリゾナ自体が、パワーをもらえる場所だ。「期待に応えるのが自分の役割。しっかりその準備だけしていきたい」と侍エースの自覚を強調した。

 14日のキューバ戦は4回4失点と、エースとしての役割を果たせなかった。「ここまで全勝できて、チームの勢いもある。しっかりとその波に乗れるようやっていきたい」。2大会ぶりの世界一奪還へ、同じ投球はできない。自らの聖地巡礼の力も加わり、勝たねばならないマウンドへと向かう。 (後藤 茂樹)

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2017年3月18日のニュース