侍J筒香 “動くボール”対策万全 ドミニカ共和国で武者修行で開眼

[ 2017年3月18日 05:30 ]

フェニックスに到着し、宿舎に入る筒香
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 日本から世界の4番へ――。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪還を目指す侍ジャパンは16日(日本時間17日)、最終調整を行う米アリゾナ州に到着した。不動の4番を任される筒香嘉智外野手(25=DeNA)は日本で応援するファンに、世界一で恩返しすることを約束。15年にドミニカ共和国で武者修行した経験と成果を、決戦の地で発揮する。チームは練習試合を2度こなし、21日(同22日)の準決勝に挑む。

 約11時間の長旅を終え、ナインは3台のバスに分かれて乗り込んだ。白バイに導かれ、フェニックス市内のホテルへ向かいながら筒香は、窓の外に視線を向けた。

 「まだリラックスした感じ。一試合ずつ、一戦一戦ですが決勝進出を決めたい。最高の準備をして、いいコンディションで臨めるようにしたい」

 ホテルの入り口、報道陣の前で足を止めると決意表明した。疲れを感じさせない力強さがにじんだ。米国は午後4時。空はカラッと晴れ、強い日差しは当時に似ていた。

 15年12月、単身でドミニカ共和国のウインターリーグに参戦。前回WBC王者には、昨季レイズで37セーブを記録したアレックス・コロメら元同僚もいる。「僕、スペイン語を話せないので」と最初は会話もできなかったが、「その経験は自分にとってプラスになった」と振り返る。

 現在では自他ともに「英語よりもスペイン語の方が得意」と認め、DeNAのラミレス監督とはスペイン語で会話する。「積極的に」という意味の「AGRESIVO(アグレシーボ)」を信条とし、この言葉は自身がスーパーバイザーを務める大阪の小学生チームの名前にもなった。

 そして、何よりも異国で磨いたのが「動くボール」への対応力だ。手元で動くムービングボールが主流の外国人投手ばかり。球筋を最後まで見極めるために、手元まで引きつけて打つ。だから、逆方向への打撃を徹底した。15年は34本だった逆方向への安打が、16年は50本へ増えた。

 14日のキューバ戦。直球を動かす右腕バノスらからシンプルに打ち返し、3本の中前打をマークした。もちろん、引っ張ることもできる。東京ドームでの1、2次ラウンドでは3本塁打を放ったが、全て中堅から右方向だった。

 準決勝、決勝を行うロサンゼルスは乾燥した気候で、日本とは球の変化も変わる。「まだやったことがないのでイメージが湧かない」と慎重だが、準決勝の相手となるF組にはドミニカ共和国、プエルトリコ、ベネズエラの中南米勢が顔をそろえる。武者修行の経験は今こそ生きる。「東京ドームでファンの方に力を頂いた。しっかり良い報告をしたい」。目標を達成したとき、筒香が「世界一の4番」となる。

 ▽筒香とウインターリーグ 15年に「プレミア12」に出場後の12月、自ら志願してドミニカ共和国のウインターリーグに参加。エスコヒードに所属し、主に3、4番で10試合に出場した。打率・206、0本塁打、2打点で終わったが出塁率は・325と健闘。3週間の武者修行で、試合では地元ファンから「ツツゴー!」の歓声も浴びた。

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