阿部1号 WBCで活躍続く愛弟子・小林に負けられん

[ 2017年3月16日 05:30 ]

オープン戦   巨人5―3ソフトバンク ( 2017年3月15日    ヤフオクD )

<ソ・巨>初回2死一塁、先制2ランを放つ阿部。投手・摂津
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 巨人・阿部慎之助内野手(37)が15日、ソフトバンク戦に「4番・一塁」で出場し、初回にオープン戦1号となる右中間2ランを放った。13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では主将を務めながら4番と捕手の重責を担った。現在は愛弟子の小林誠司捕手(27)が侍ジャパンで大活躍。通算2000安打まで残り83本に迫っている大ベテランが、若手たちの手本になりながら、開幕へ調子を上げてきた。

 久しぶりの感覚だった。初回2死一塁。阿部は甘い直球を完璧に仕留めた。「差し込まれた感じはあったけど、うまく腕を畳んで振り抜けた」。美しい放物線を描いた打球が、右中間ホームランテラスに吸い込まれた。1試合2本塁打をマークした昨年8月26日のDeNA戦(横浜)以来となるアーチ。「オープン戦ですが、いい結果が出るにこしたことはない」と納得の表情だ。

 百戦錬磨の4番が、「最近は内容が良くなかった」と振り返るように、10日のオリックス戦(ほっと神戸)から8打席連続無安打に終わっていた。それでも精神的支柱としてプレー以外の部分でもチームをけん引する。

 14日のソフトバンク戦(長崎)では、練習前に若手野手を集め「漠然とやるのでなく、一打席一打席、テーマを持って打席に入ろう」とハッパをかけた。4年前のWBCも経験している大ベテランは、後輩たちにとって「生きる教材」であり、「先生」となっている。

 1月のグアム自主トレには現在、侍ジャパンで活躍している小林が弟子入りを志願してきた。打撃理論や配球やキャッチング、送球、ミットの形状の細部にわたるまで、惜しみなくアドバイスを送り、自らの後継者としての成長を促した。日本の正捕手として、この日のイスラエル戦でも愛弟子は適時内野安打をマーク。「(自主トレは)充実した時間だった。多くのことを学べた」と小林も感謝を口にする。

 オープン戦も残り8試合。高橋監督も「調子が上がってもらわないと困る」とハッパをかける。この日は春季キャンプで意識してきた水平に振り切れるフォームでアーチを描いた。「チームが勝つための一本を打ちたい」と阿部。シーズンが始まれば、残り83本に迫った2000安打への挑戦が待っている。金字塔を打ち立てるための準備期間であるオープン戦で、自慢の打棒に磨きをかける。 (重光 晋太郎)

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2017年3月16日のニュース