WBCでNPB経験者が活躍する理由 ライバル国の指揮官も日本野球を高評価

[ 2017年3月15日 15:50 ]

<オランダ・日本>力投するオランダ・バンデンハーク
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 太平洋を挟んで熱戦が繰り広げられているWBC。普段は阪神担当の記者も宮崎合宿から侍ジャパンに密着している。開催時期や日程の不公平、選手のレベルやコンディションなど改善点はまだたくさんあるように見えるが、今大会、試合自体は抜群に面白い。

 その中で目立つのが、NPB経験者の活躍だ。日本が1次ラウンドで戦ったキューバ、オーストラリアの4番はデスパイネ(ソフトバンク)、デニング(元ヤクルト)となじみのある名前だった。2次ラウンド初戦で死闘を演じたオランダに至っては、4番がバレンティン(ヤクルト)、エースがバンデンハーク(ソフトバンク)、守護神がファンミル(元楽天)。さらに監督がミューレン(元ヤクルト)、コーチにアンドリュー・ジョーンズ(元楽天)だ。ヤンキースのグリゴリアスらメジャーのスター軍団を擁するチームでも、投打の軸となっていたのがNPB組というのは、何となく嬉しい。

 D組の開催国で、第3試合では優勝候補のベネズエラに11―9で競り勝ったメキシコ。失点率の差という難解なルールでプレーオフ進出を逃したものの、非常に熱い戦いを見せてくれた。この試合も、先発がメンドーサ(日本ハム)で、スタメンにはレアード(同)、アマダー(元楽天)、クルーズ(巨人)らがズラリと顔を並べた。

 日本球団はメジャー球団よりも選手派遣への制約が少ないのが大きな要因だろう。侍ジャパンもメジャーリーガーは青木だけ。本人が出たくてもなかなか出られないのが実情だ。ただ、日本の野球やNPBの国際的な評価が非常に高いのも確か。キューバのマルティ監督、オランダのミューレン監督らも「日本は世界トップクラス」、「日本の野球は素晴らしい」と口を揃えていた。

 練習の量や質が高く、緻密なプレーを徹底する日本野球を経験することで、飛躍的に成長する選手も多い。バレンティンやバンデンハークの例を見ても、NPBでの実績はメジャーでの実績と変わらぬ評価を得ている印象だ。いよいよ佳境を迎えるWBC。侍ジャパンはもちろん、助っ人勢のプレーにも注目したい。(記者コラム・山添 晴治)

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2017年3月15日のニュース