トヨタ自動車がスポニチ大会初V ベテラン佐竹が貫禄1失点完投

[ 2017年3月15日 05:30 ]

全国社会人野球第72回JABA東京スポニチ大会最終日   トヨタ自動車6―1Honda ( 2017年3月14日    神宮 )

<トヨタ自動車・Honda>優勝したトヨタ自動車ナインは桑原監督を笑顔で胴上げ
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 準決勝、決勝が14日、行われ、トヨタ自動車が大会13度目の出場で初優勝を飾った。Hondaとの決勝では、昨年の社会人野球ベストナインを獲得した33歳のベテラン・佐竹功年投手が、6安打1失点で完投勝利。今大会でも登板2試合で2勝を挙げて最高殊勲選手賞に輝いた。優勝したトヨタ自動車は、今秋の日本選手権大会出場権を得た。

 最後の打者は二ゴロに仕留めた。優勝が決まっても、佐竹は淡々とマウンドを下りて捕手・細山田とタッチを交わして控えめに喜んだ。まさに王者の風格だった。

 「チームとしてはそこまで状態が良くなかったので優勝できるとは思わなかった」

 0―0の5回、先頭に四球を許したが続く川戸、小手川が試みたバントを連続して阻止。持ち前の制球力と1メートル69の体を目いっぱい使った抜群のフィールディングでピンチの芽をつんだ。4月で12年目に突入するベテランは「体力は衰えていくけれど技術と経験は積み上がる」と胸を張った。6回に初安打を許すと、完封目前の8回には1点を失って「最後はバテた」と苦笑いしたが「チームには良い自信になったのでは」と安どした。

 昨夏都市対抗では決勝で完封など一人で4勝を挙げて悲願の初優勝に涙を流した。橋戸賞(最高殊勲選手賞)を受賞するなど年間タイトルを総ナメにした。個人では輝かしい一年だったが、チームは日本選手権で8強止まり。佐竹が登板しなかった準々決勝の日本通運戦で敗退した。今年も主将を務める右腕は「もう僕個人がどうしたいとかはない。昨年は昨年。僕が投げなくても勝てるチームにならないと」。3人の新人が加入してチームは16投手の大所帯となったが「普段からみんなに言っていることを僕が体現しなければ」と自らも練習では絶対に手を抜かなかった。

 都市対抗連覇へ幸先良いスタートも慢心はない。「僕自身、いつクビになってもおかしくない。でも年をとった分だけの仕事をしたい」。15年都市対抗を制した日本生命は昨年同大会で初戦敗退している。「二の舞いにならないように。優勝しかない」。都市対抗優勝を意味する左袖のエンブレムをなびかせ、偉業達成へ突き進む。 (松井 いつき)

 ◆佐竹 功年(さたけ・かつとし)1983年(昭58)10月14日、香川県小豆島生まれの33歳。土庄町立大鐸小2年で軟式野球を始め、土庄中では捕手。土庄3年夏は香川大会16強で甲子園出場なし。早大で通算27試合で4勝4敗、防御率1・80。06年にトヨタ自動車に入社。14年アジア大会、15年アジア選手権で社会人日本代表に選ばれた。1メートル69、72キロ。右投げ右打ち。

 <昨年投手部門ベストナイン>2016年の佐竹はJABA岡山大会MVP、都市対抗でMVPにあたる橋戸賞、日本選手権では優秀選手賞を受賞。年間では公式戦8勝0敗、防御率0.81。勝利数、防御率、奪三振でトップの数字を残して、社会人野球ベストナインの投手部門に満場一致で選出された。

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