侍J青木 キューバ戦もここぞ!神の円陣 オランダ戦で流れ呼んだ叱咤

[ 2017年3月14日 08:40 ]

WBC2次ラウンドE組   日本―キューバ ( 2017年3月14日    東京ドーム )

12日オランダ戦の5回攻撃前に青木(中央)を中心に円陣を組む侍ナイン
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 ベンチ前で輪になる。次の回の攻撃に向けた円陣。その中で野手たちは投手の攻略法を確かめ、そして、得点への士気を高める。前夜のオランダ戦。5―5同点で5回の攻撃を控えた日本の円陣は、青木が中心にいた。

 「誰がどう見ても次の1点を取る方が有利だった。ここは(その重要性を)言った方がいいと思った。そのへんは経験かな」

 一夜明けて希望練習に現れたメジャー戦士は、動いた理由を打ち明けた。絶妙なタイミングでの叱咤(しった)。直後に小林の勝ち越し打が生まれた。オランダの粘りで大会史上初のタイブレークまでもつれたが、11回に中田が決勝2点打。侍ジャパン最長4時間46分の死闘を制した。「勢いがある時ってこんな感じなのかな。勢いをつかめば力になる。短期決戦ではこの勢いが大事になる」と振り返った。

 開幕前、5日のオリックスとの強化試合(京セラドーム)でも、2点を先制された直後の2回に円陣で声を上げていた。「こういう苦しい試合は何試合もあるから、ここから気持ちを切り替え、気持ちを一つにしてやっていこう」。結果、大会前の最終戦に逆転勝利。青木の声はマジックだ。

 内川とともに09年大会の世界一を知る男は当時との違いを吐露した。「09年はイチローさん、松坂さん、城島さん、福留さん…各ポジションに凄い人がいて存在感に引っ張られた。あの時も良かったが、今は少し違う。みんなが引っ張っている」。内野で坂本勇がマウンドへ何度も駆け寄るなどリーダーシップを発揮。ベテラン勢では松田が「ベンチの雰囲気は任せてください」と息巻き、内川ら控え選手もともに戦う雰囲気をつくる。だから、青木も自分の仕事を探し、実行する。

 この日は打撃練習はせず、軽めの練習で疲労回復に努めた。「次、勝てばチーム力はもっと上がる。楽しみ」。1次ラウンドで11―6で破ったキューバを返り討ちにし、4強入りの切符を引き寄せる。(柳原 直之)

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