侍J菅野 ブルペン救え!キューバ戦は「最低5回。6回目指す」

[ 2017年3月14日 05:30 ]

WBC2次ラウンドE組   日本―キューバ ( 2017年3月14日    東京ドーム )

キャッチボールで調整する菅野
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 アサヒスーパードライプレゼンツ・第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンは14日、2次ラウンド第2戦のキューバ戦を迎える。先発する菅野智之投手(27=巨人)は13日、東京ドームで希望者による練習に参加。リリーフ陣8人を投入して辛勝した初戦のオランダ戦を踏まえ、80球の投球数制限下で長い回を投げきって勝つミッションを己に課した。

 菅野の使命は明確だった。「最低5回。6回を目指す」と、当然のように言った。

 「6回を投げれば(救援陣は)どんなに投げても4、5人で済む。(今後も)本当に何が起こるか分からないので」

 練習の終盤。外野で投本間ほどの距離を取り、フォームを確認しながら8球を強く投じた。前夜のオランダ戦は延長11回タイブレークを戦い、先発・石川以下9投手の総力継投で勝った。「あんなに(多くが)投げるとは思わなかった」とベンチから激闘を見つめ「本当に感動したし、勇気をもらった」という。

 2次ラウンドの球数制限は80球。6回を投げきるには「1イニング13球」が目安になる。8日の1次ラウンド・オーストラリア戦では4回1/3を1失点。全66球のうち、直球はわずか27%の18球で、変化球で芯を外して打ち取る「WBC仕様」の投球を見せた。3回までは全て、目安の13球以内に抑えている。22日(日本時間23日)の決勝まで進めば、あと4試合。仮に2次ラウンドがプレーオフにもつれれば、5試合を戦わなくてはならない。決勝トーナメントの地・米国への移動で疲労も蓄積される。世界一奪還を見据え、救援陣を休ませたい。

 練習を見守った小久保監督は「何もしていない僕がこんなに疲労している。前日くらいの中継ぎのつぎ込みはちょっとできない」と言った。4時間46分の死闘を踏まえた第2戦。「長いイニングを期待します」と、エースだけに寄せる特別な期待を口にした。初戦で負ければ絶対に落とせなくなる2戦目を最重要視し、1次ラウンドに引き続いて託した。初戦は、2戦目に菅野が控えるからこそ総力戦を挑むこともできた。

 菅野は東海大3年時の10年、世界大学野球選手権でデスパイネ擁するキューバと対戦した。初の国際舞台は2本塁打を浴び3回3失点で「強烈だった」。だが、デスパイネには自身最速の157キロを計測。神宮球場をどよめかせ、カットボールで空振り三振を奪った。映像分析を進め、今大会4戦3発の4番打者との勝負をイメージ。「割り切ってソロならOKくらいの気持ちでいければ自分も攻めていきやすい。泥くさく結果オーライでもいい」と力で挑む。

 「チームが発足してから2戦目という大事なポジションを任されている。自分を信じてやるだけです」。世界一への道を、その右腕が盤石なものとする。 (神田 佑)

 ≪平均5.12イニング 6回完了なら負けなし3勝0敗≫菅野は16年巨人でのレギュラーシーズン26試合で183回1/3を投げ、投球数は計2863球。平均では80球で5.12回(小数点表示)を投げたことになる。実際には80球以下で6回を完了したのが8試合、5回完了が6試合。6回を完了すると3勝0敗と負けがなく、5月5日広島戦、5月20日中日戦では7回2死までを80球以下で投げた。

 ▽投球数制限 1次ラウンドは65球、2次ラウンドは80球、準決勝と決勝は95球。到達した時点で対戦している打者までは、対戦が完了するまで投球できる。

 ≪突破決定は15日以降≫日本は14日のキューバ戦に勝って2連勝した場合、イスラエルとオランダが1勝1敗、キューバが2敗となる。翌15日はデーゲームのオランダ―キューバでオランダが敗れれば2敗が2チームとなり、日本の準決勝進出が決まる。オランダが勝った場合、日本がナイターのイスラエル戦で敗れると3チームが2勝1敗となり、16日のプレーオフを戦う可能性がある。日本がキューバに敗れた場合は4チームが1勝1敗となり、15日のオランダ―キューバ、日本―イスラエルの勝者が準決勝に進出する。

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