メキシコ悲劇…勝ってプレーオフ!公式サイトでも発表されたのに一転敗退

[ 2017年3月14日 05:30 ]

WBC1次ラウンドD組   メキシコ11―9ベネズエラ ( 2017年3月12日    メキシコ・グアダラハラ )

<ベネズエラ・メキシコ>5回1死一、三塁、3ランのレアード(右)がキロスとハイタッチ(AP)
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 1次ラウンドD組で12日(日本時間13日)、大混乱が起きた。プエルトリコが3連勝して1位で2次ラウンドに進出し、3チームが1勝2敗でタイに。2位進出を懸けた大会初のプレーオフ(13日)はベネズエラを11―9で破ったメキシコとイタリアが戦うと当初発表されたが、直後に大会規定の解釈の誤りによりメキシコの敗退となった。C組はドミニカ共和国が1位、米国が2位通過を決めた。

 メキシコは日本ハムに在籍するレアードが5回に3ラン。日本でおなじみになった「寿司ポーズ」で喜んだ。2点リードの9回は守護神オズナ(ブルージェイズ)が2死一、二塁のピンチを脱出。地元での今大会初勝利に、ナインは歓喜を爆発させた。これが「ぬか喜び」になろうとは…。

 1勝2敗で3チームがタイ。大会規定により当該チーム間の「失点率」で上位2チームのイタリア、メキシコがプレーオフに進むと当初、大会公式サイトでも発表された。だが、直後に進出チームがメキシコからベネズエラに訂正される。まさに天国から地獄。主将のA・ゴンザレス(ドジャース)は「試合前に2点差で勝てばプレーオフに進むと言われていた。なんてひどい大会なんだ」と不満をぶちまけた。

 失点率について、大会公式ルールには「失点を守備に就いたイニング数(不完全な回を含む)で割り、その少なさで順位をつける」と記載されている。メキシコはイタリア戦で9回無死からサヨナラ負けし、この試合は8回と「不完全な回」に該当する0/3回を戦った。「不完全な回を含む」とは、この0/3回を「0」として単純に足すのか、それともイニングを構成する一部を実施したことで「1」を足すのか――。メキシコは後者だと認識していたようだ。「1」加算なら18回で19失点、失点率1・06でベネズエラの1・11より上位。実際には「0」だったために17回で19失点、失点率1・12でワーストとなった。エドガー・ゴンザレス監督は「MLBでさえも(試合直後は)不完全な回を1回と解釈していた」とふに落ちない様子。チームは大会運営側に抗議する方向だ。解釈を間違わず、1点少なく抑えてさえいれば失点率1・06。後味は悪い。

 ▽1、2次ラウンドの順位決定方法 1〜3位が2勝1敗、または2〜4位が1勝2敗で並んだ場合は、当該チーム間の(1)失点率(2)自責点率(3)打率(4)抽選―で順位を決め、2、3位でプレーオフを行う。

 ≪第1回大会では侍がメキシコに“救われた”≫メキシコは06年の第1回大会では「失点率」で日本を救った。2次ラウンド1組は3勝の韓国が1位。日本は1勝2敗で終え、敗退が濃厚だった。だが、米国(1勝1敗)とメキシコ(2敗)の最終戦でメキシコが2―1で勝利。これにより1勝2敗で3チームが並び、日本が失点率0.28で米国の0.29とわずか0.01差で準決勝進出を決め、世界一へと勝ち進んだ。米国は9回決着の0―1で敗れても進出だっただけに「0.01の奇跡」と言われた。

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2017年3月14日のニュース