ロッテドラ1千隼 開幕ローテ前進 ナチュラルバックドアで5つの見逃し三振

[ 2017年3月13日 06:18 ]

オープン戦   ロッテ4―2DeNA ( 2017年3月12日    横浜 )

<D・ロ>5回1失点の佐々木
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 ロッテのドラフト1位・佐々木千隼投手(22=桜美林大)が12日、DeNA戦に先発し、5回で毎回7三振を奪い、8安打を浴びながら1失点と粘った。右打者の外角ボールゾーンからシュートしてストライクになる「ナチュラルバックドア」で5つの見逃し三振を重ねた。オープン戦初勝利も飾り、これで3試合で計9回を投げ2失点(自責1)の防御率1・00。開幕ローテーション争いに大きなアピールとなった。

 スリークオーターから投げ込む直球がシュート回転し、右打者のボールゾーンから外角いっぱいに決まる。5回無死満塁で佐々木が、桑原から5個目の見逃し三振を奪った。「大学のときから(直球が)シュートしていた。シュート回転は気にしていない」。昨年限りで現役引退した元広島・黒田博樹氏も武器とした技だった。

 初回の桑原、2回もシリアコ、宮崎、3回の白崎も同じ球で見逃し三振。7奪三振のうち、右打者の直球見逃し三振が実に5個。この日の直球は最速144キロをマーク。「そんな技術は持っていない」と意図して投げ分けているのではないが、シンカー、スライダーに加え、「ナチュラルバックドア」が決め球になった。

 5回1死満塁から梶谷をシンカーで遊ゴロに打ち取った併殺崩れの間に1点を失い、オープン戦9イニング目にして初の自責点。それでも8安打を許しながら最少失点で“プロ初勝利”を手にした。93球と球数が増え、「(100%中)60くらい」と反省するが、大学1年以来となるワインドアップを試すなど、新人らしからぬ余裕も見せた。

 先発ローテーションは涌井、石川、唐川が確定し、残り3枠をスタンリッジ、西野、大嶺祐らと争う。伊東監督は「(佐々木を)先発として考えている」と話し、英二投手コーチも「次のチャンスはある」。競争が激化した投手陣のオープン戦は12球団トップの防御率1・80を記録し、チームは7勝1敗1分けで首位。すでに「千隼効果」が数字に表れている。 (渡辺 剛太)

 ▽バックドア 外角のボールゾーンから曲がってストライクに入る軌道を大リーグでは「バックドア」と呼ぶ。ホームベースを回り込むようにストライクになる軌道を「裏口」に例えたもの。反対に、内角のボールからストライクになる軌道を「フロントドア」と呼ぶ。

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2017年3月13日のニュース