【石井一久WBC視点】千賀、抑え起用いける…光った“狙って取った三振”

[ 2017年3月13日 11:05 ]

WBC2次ラウンドE組   日本8―6オランダ ( 2017年3月12日    東京ドーム )

<オランダ・日本>2回を3安打無失点の千賀
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 9回に追いつかれたものの、救援陣は再三のピンチでよく踏ん張った。特に光ったのは1点リードの5回から3番手で登板した千賀。いきなり無死二、三塁のピンチを招いたが、絶対に三振でアウトが欲しい場面で三振を取れるのが千賀だ。

 ボガーツに対して、まずはワンバウンドのフォークで空振り。初対戦の打者に自分の武器を意識させてから、直球(見逃し)、フォーク(ボール)と交互に続けた。三振を取りたい時は、ストライクゾーンを広く使いながら3球で1ボール2ストライクの状況をつくれば、優位に立てる。4球目は決め球のフォークでもいいし、裏をかいて真っすぐでもいい。仮にボールでもいいので、割り切った投球ができる。千賀は後者を選択し、見逃し三振に仕留めた。

 続くバレンティンにも直球3球で1ボール2ストライクとし、今度はフォークで空振り三振。千賀はスライダーも持っているが、前にも飛ばしたくない場面では、目先を変える「第3の球種」は必要ない。この配球ができるのは、切れ味鋭いフォークと150キロ台中盤の直球を持っているから。三振が欲しい場面で取れる千賀は、救援陣のキーマンだと確信した。抑えでも十分いける。(スポニチ本紙評論家)

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2017年3月13日のニュース