侍初!開幕3連勝 中田2戦連発「落としていい試合なんてない」

[ 2017年3月11日 05:35 ]

WBC1次ラウンドB組   日本7―1中国 ( 2017年3月10日    東京ドーム )

<日本・中国>3回2死一塁、左越え2ランを放つ中田
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 アサヒスーパードライプレゼンツ・第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、世界一奪回を目指す侍ジャパンは10日、中国を7―1で下して、1次ラウンド全勝突破を決めた。3回に5番・中田翔内野手(27=日本ハム)が2戦連発となる左越え2ラン。1、2戦目に連発した4番・筒香嘉智外野手(25=DeNA)に負けない打棒を見せた。3戦全勝での1次ラウンド通過は史上初。2次ラウンド初戦となる12日のオランダ戦へ勢いをつけた。

 2試合連続のお立ち台。大歓声を浴びた中田の笑顔がはじけた。「1試合でも落としていい試合なんてない。全部勝ちにいく気持ちで戦っていきたい」。日本にとって初の1次ラウンド3戦全勝、1位突破。格下の中国相手でも果敢な打撃を貫いた。

 3―1の3回2死一塁。先発・甘泉(ガン・クァン)の1ボールから甘く入った134キロ直球を強振。「(感触は)あまり良くなかった」と振り返るが、高々と舞い上がった打球は左翼席に勢いよく飛び込んだ。1、2戦で連発した4番・筒香とは、8日のオーストラリア戦でアベック弾。お立ち台で熱い抱擁を交わしたが、今度は中田が代表で自身初の2試合連発だ。「今は打席の中で自分のスイングをすることを心掛けている。体の状態も凄くいい。それが良い結果につながっている」と安どした。

 8日は投手の代わりばなの初球を決勝弾。この日の一撃もファーストストライクだ。その積極的な姿勢を支えるのが今大会に向けて何本も持ち込むバットだ。同じモデルだが、微妙な感覚は日々違い「いろいろとバットは替えている」。3日の阪神との強化試合(京セラドーム)で実戦初アーチを放ったが、験担ぎはせず、その後も替え続けた。柔軟な発想と心のゆとりも中田の成長だ。

 小久保監督を「男」にすると決めている。15年秋の「プレミア12」。東京ドームでの3位決定戦を終えた中田は、その日のうちに札幌市内の自宅へ帰った。予選ラウンド3戦連続決勝打など打点王、ベストナインに輝いた大会リプレー映像を繰り返し見つめた。「気持ちええなあ」。好調時のイメージを頭に叩き込んだが、その思いはいつしか悔しさに変わっていた。「小久保監督を胴上げしたかったな…」。気付けば朝だった。世界一奪還。熱く、固い決意が生まれた瞬間だった。

 4番・筒香、5番・中田が本来の力を発揮した1次ラウンド。小久保監督は「正直これほど本塁打が出るとは思っていなかった」と驚きつつ、2次ラウンドへ向け「これから厳しい戦いになる中で好調の選手は状態をキープしてほしい」と期待を込めた。12日に対戦するオランダの先発はソフトバンクの剛腕・バンデンハークが濃厚だ。「誰が見ても凄い投手。データを頭に叩き込んでいきたい。そう簡単に打てる投手ではない」。筒香だけで勝つのは難しい。中田の破壊力が世界一の鍵を握る。 (柳原 直之)

 ≪侍ジャパン自身初≫中田がオーストラリア戦に続き代表自身初の2試合連続本塁打。WBCで日本打者の2試合連発は06年1次ラウンド中国、台湾戦の多村、09年1次ラウンド中国、韓国戦の村田、今大会キューバ、オーストラリア戦の筒香に次ぎ4人目となった。中田は強化試合などを含む小久保監督の侍ジャパン全36試合に先発出場し、通算7本塁打(ほか山本監督時代に1本)。松田の5本を上回り単独最多だ。

 ≪1位突破も初≫1次ラウンドB組1位を決めている日本が中国に4大会連続で勝利し、3戦全勝で2次ラウンド進出。過去3大会の1次ラウンドは全て○→○→●の2位で、3連勝、1位突破はともに初。また日本はこれで大会通算20勝目(7敗)。韓国、キューバ、ドミニカ共和国の15勝を上回り全出場チーム最多。

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