北條またマルチ 鳥谷に侍に勝った!「開幕・遊撃」へ勢い止まらん

[ 2017年3月4日 05:52 ]

WBC強化試合   阪神4―2日本 ( 2017年3月3日    京セラD )

<阪神・日本>5回、北條が右前打を放つ
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 阪神は京セラドームで3日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンと強化試合で対戦し4―2で勝利。宜野座キャンプの野手MVPにも選ばれた北條史也内野手(22)が「1番・DH」で2安打1四球、3出塁と好調をキープ。先制のホームも踏み、1番打者としての役割を果たした。今春初の対外試合出場となった鳥谷敬内野手(35)は4打数無安打。遊撃バトル第1ラウンドは、若虎に軍配が上がった。 

 たとえ相手が日本代表でも、進化した北條には関係なかった。鳥谷が今春初めて、対外試合に出場。いよいよ本格化する遊撃バトルの第1ラウンドで、北條がチーム唯一のマルチ安打をかっ飛ばした。

 「1打席目を大事にしてキャンプからやってきた。追い込まれている中でくらいつく意識で、コースに逆らわずに打てたのはよかった」

 まずは初回、武田から先制の口火を切る右前打だ。不利なカウントになっても慌てる様子が一切ない。2球で追い込まれたが、ファウル、ボールと続いた5球目。武田の宝刀・カーブを頭に入れながら、外角いっぱいの146キロ直球を、一塁手の頭上にライナーではじき返した。14年の日本シリーズでは7回を3安打1失点に封じられた苦い過去もある。阪神にとっては難敵とも呼べる武田相手の一打だっただけに、余計に価値がある。

 続く高山の右越え二塁打で三進し、1死後、原口の遊ゴロの間に自ら生還した。「1番なので、チームに勢いをつけることも大事。見逃し三振とか真っすぐに振り遅れたりすると、後の打者にも影響する」。今春の実戦9試合は全て1番に座っており、この日を含めて3度、初回に出塁。切り込み隊長としての自覚もまた、結果が続く要因の一つだろう。

 勢いは続く。5回の第3打席では平野が投じた初球の直球を振り抜いて左前打。7回には楽天・松井裕から冷静に四球を選び、計3度の出塁を果たした。それでも「今は良いかもしれないですけど、ずっと良い、ということはない。これからも、結果も内容も求めてやっていかないといけない」と気を引き締めた。

 対照的に「3番・遊撃」で出場した鳥谷は精彩を欠いた。初回無死二、三塁で投ゴロに倒れるなど4打数無安打。初実戦ということで、投手との間合いをはかりきれなかった。キャンプ終了時に鳥谷に「7対3で勝ってもお前(の遊撃のレギュラーは)ないぞ」と伝えていたことを明かした金本監督も、この日の試合後は「そりゃ、まだまだ、いきなりそんな、なかなかね」と話した。

 北條の圧倒的優位の情勢が続くとはいえ、鳥谷には圧倒的経験がある。指揮官は言う。「(北條は結果が)続いているけど、調子の波ってあるからね。勝負は開幕からだから」。まだ見ぬ最終決着へ、鳥谷も懸命の巻き返しを図りたい。(巻木 周平)

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2017年3月4日のニュース