イチロー 全体練習に復帰!激突負傷の相手バーンズと笑顔でハグ

[ 2017年3月4日 05:30 ]

全体練習に復帰しバーンズと抱き合うイチロー(右)
Photo By スポニチ

 右膝上部の打撲と腰の違和感のため別メニュー調整を余儀なくされていたマーリンズのイチロー外野手(43)が2日(日本時間3日)、9日ぶりに全体練習に復帰した。負傷の原因となったブランドン・バーンズ外野手(30)と笑顔で抱き合う「神対応」を見せ、守備練習では好送球を連発する「ハッスル」ぶり。球場入りの際に着ていたTシャツの言葉を体現した。5日(同6日)のアストロズ戦でオープン戦に初出場する見通しだ。

 9日ぶりにナインの輪に加わったイチローは、すぐにバーンズに走り寄った。マイナー契約の30歳は大喜び。43歳のレジェンドを持ち上げるように力強く抱擁し、和やかなムードに包まれた。

 「ハグしたわけじゃない」と苦笑したイチローは「まあ、でもそうしてあげた方がね。(この状況で)一番かわいそうなのはバーンズですからね」。負傷した2月21日と同じように気遣う姿は、まさに「神対応」だ。

 右翼での守備練習では8日間のブランクを感じさせない正確無比な強肩を披露した。三塁へはワンバウンドのストライク、本塁へはノーバウンドのレーザービームだ。いきなりの「ハッスル」に感嘆の声が上がる中でも「今日は全力でやってないですけど」と涼しい顔。1時間半で終了した全体練習を「一人でやっている方がよっぽどしんどいわ。全体練習の方がめっちゃ楽」と笑みを交えて振り返った。

 キャンプ期間に負傷による別メニュー調整は初めてだが、これもプラスに転じるのがイチローらしい。「トレーニングの量は過去にない量できましたからね。ケガのおかげで。これも良かったと言えるよう、ちゃんと僕がしなくてはいけない。今まで通りの考え方です」。合計で1日8時間にも及んだ電気治療と「専用ジム」での調整。ジムでは初動負荷理論の特殊マシン9台を使い股関節や肩の周りを中心に関節の可動域を広げ、しなやかな体を維持する。うち3台は今年新たに導入したもので主に股関節の柔軟性を高め、大きなトルク(体のねじりの強さ)を生む効果が期待される。

 オープン戦初出場は5日のアストロズ戦となる見込み。それでも腰の状態については「90(%)とは言いたくないね。80くらいに思っておいた方が安全じゃないかな。後ろに戻りたくないですから」と慎重を期す。

 日米通算26年目のレジェンドは、しみじみと言った。「健康が一番だというのはこの程度のケガでも思いますね。僕のは命に関わることでは全くないですけど、それでもアスリートとしてはプレーできないわけですから。人の気持ちを察するようになるかな」。思い切り野球をできる喜びをかみしめ、ハッスルプレーでファンの胸を「キュン」とさせる。

 ▽イチローの負傷 2月21日の中堅守備練習中に右翼のバーンズと接触し、相手の左膝が右膝上部に直撃。その衝撃で腰も痛めた。幸い大事には至らず、30分間の電気治療を受けると「びっくりするわ、もう。まあ彼を責めたらかわいそうだけど」と笑顔でバーンズを気遣った。イチローを尊敬しているゴードンが書いた「おまえはクビだ!幸運を祈る」の紙にイチローもサインを添え、バーンズのロッカーに張る米国流のいたずらで周囲を笑わせた。

続きを表示

この記事のフォト

2017年3月4日のニュース