雄星 新旧エース対決VS岸圧倒「迷いなく投げられている」

[ 2017年3月3日 05:33 ]

練習試合   西武6―8楽天 ( 2017年3月2日    清武 )

<西・楽>2イニングを無失点に抑えた菊池
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 31日の日本ハム戦(札幌ドーム)で、2年連続開幕投手を務める西武・菊池雄星投手(25)が2日、楽天との練習試合(清武)に先発し、2回1安打無失点、2三振を奪った。今季初の対外試合登板で、昨季まで同僚だった岸孝之投手(32)との投げ合い。新天地で開幕投手を任される右腕との新旧エース対決は、2回3失点の先輩を内容で圧倒した。新エースは昨オフから取り組んでいる新球フォークもさえ、順調な仕上がりを見せた。

 昨季までエースだった岸が見つめる前で、新エースの菊池が意地を示した。今季初の対外試合登板で26球をテンポ良く投げ込んだ。2回1安打無失点。直球は最速148キロを計測し、ここまで実戦3試合で計4回を無失点。急性胃腸炎のため2月23、24日の練習を休んだが、その影響も感じさせなかった。

 「練習試合なのであまり(岸に対する)意識はないが、恥ずかしいピッチングはできないと思った。まだ3試合目だが、例年以上にフォームに対する迷いがなく投げられている」

 昨季まで同じユニホームを着ていた先輩は、菊池にとって理想のエース像だった。12年1月のオフから3年連続でハワイでの自主トレに同行させてもらい、岸の最大の武器であるカーブも伝授された。宿舎では連日、トレーニング方法など野球について語り合った。「岸さんのように安心感を与えるようなポジションになっていかないと」。野球に取り組む姿勢や野手の士気を高める存在感など全てにおいてお手本にしてきた。

 岸の移籍が決定し、昨年11月の契約更改の席では「岸さんが抜けて戦力的には厳しくなる。後輩たちに自ら発言する機会も増やしていく」と、左腕は「ポスト岸」を担う覚悟を示していた。まさに有言実行の快投だ。

 自らの誓いを現実にするため、昨オフから新球フォークの習得に取り組んでいる。この日も初回2死、松井稼を135キロの高速フォークで空振り三振。「4球ぐらいフォークを投げたが、いいところで投げられたので自信になった」。女房役の炭谷も「自然と空振りも取れると思うし、十分使える。どんどん投げていっていい」と太鼓判を押した。

 「シーズンで岸さんと投げ合えるのは本当に楽しみ。そこで負けないようにしたい」。憧れの存在からライバルへ――。新エースは満足感に浸ることなく、開幕後も続く「第2ラウンド」を見据えた。(原田 真奈子)

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