マー無失点も不満 結果より内容!相手より自分!

[ 2017年3月2日 05:30 ]

オープン戦   ヤンキース9―5タイガース ( 2017年2月28日    タンパ )

<ヤンキース・タイガース>タイガース戦に先発し、2回無失点と好投したヤンキースの田中
Photo By スポニチ

 ヤンキース・田中将大投手(28)が28日(日本時間3月1日)、タイガースを相手にメジャー4年目のオープン戦初マウンドを踏んだ。味方野手の失策により走者を一人許したものの、ほぼパーフェクトに抑えて2奪三振。4年続けて初登板を2回無失点で終えた。文句のつけようがない結果ながら、あくまで本人は課題点を挙げ、あくなき向上心を見せつけた。

 これがエースの貫禄なのだろう。田中は勝負どころで捕手サンチェスのサインに3度も首を振った。「投げたい球は投げた。首を振って。あえてこの球をとかはあった」と2回無安打無失点2奪三振の投球を振り返った。

 自我を通した。初球は捕手も捕れず、バックネットへ直接当てる大暴投。初回先頭を味方失策で出塁させたが、次打者をきっちり遊ゴロ併殺に仕留めて浮足立つと ころはなかった。「バッターの反応を見ながらというよりは、自分の投げたい球を投げた」。明らかに過去3年間の初登板時とは違う発言だった。

 14年の移籍初年度はまだ右も左も分からず、15、16年は右肘の不安を抱えたままのキャンプインだった。今年はそれがない。状態が良いからこそ、パフォーマンス自体を鮮明に自己評価できる。「投げたいところには投げられてない。自分のやりたいように体を動かせていない。だからあれだけバラバラになる」。全25球中16球がストライクだった。挙げた差異は誤差。それを許せないところに矜持(きょうじ)がにじんだ。

 全米屈指のエースへ。その足掛かりをつかんだ昨季だった。年間通じてほぼローテーションを守り、防御率はリーグ3位の3・07。「いいバランスで、いいフォームで狙った所に投げられれば、それが一番いいボールが行くと思っている」と自信と自覚を持って臨んでいた。だからこそ、ボール1個分でも制球ミスは許せない。「シーズンに入ればもちろん、抑えればそれでいい。でも今は物足りない部分だらけなので」。結果がいかに良かろうと、満足感とは程遠かった。

 敵軍は1番からWBC米国代表のキンズラーら主力が並んだ。「そんなに主力いましたっけ?」と振り返る余裕も。3番カステラノスとの対戦では、この日最速92マイル(約148キロ)の直球でファウルを稼いだ。「狙った所より高かった。でも直球でファウルは取れていた。そこは前向きに捉えていいかな」。反省にも、わずかに挙げた収穫にも、エースらしいスケールの大きさがあった。

 【田中の初オープン戦】

 ★総立ち(14年3月1日フィリーズ戦)マウンドに向かうと、7年総額1億5500万ドル(約176億7000万円)の大型契約を結んだ右腕に観衆がスタンディングオベーション。最速94マイル(約151キロ)、3三振を奪うなど期待に応えた。

 ★エコ投球(15年3月12日ブレーブス戦)1人の走者も許さず打者6人に要した球数は19球。14年夏の右肘故障が米メディアに不安視される中でシンカー(ツーシーム)を駆使し打者の手元で動く球でゴロを打たせる効率的な投球だった。

 ☆開幕内定(16年3月6日フィリーズ戦)15年10月に右肘の骨片除去手術を受けて以来、初の対外試合。2回2死一、三塁のピンチを空振り三振で切り抜けた。ジョー・ジラルディ監督は、調整が順調に進めば開幕投手を任せることを示唆。

続きを表示

2017年3月2日のニュース